とにかく湯浅監督の独特のぬるぬるしたアニメーションの気持ち良いこと。
そしてジャケットのしっとりしたイメージとは裏腹に、ゴキゲンでアップテンポな音楽と、ダンスが楽しいこと。
そして何よりルーがかわいいことかわいいこと。
お話は村に入り込んだ異物に対し、村を取り巻き賛成側と反対側と別れ・・という中に、複数の登場人物の、葛藤や青春、こっ恥ずかしい思いが渦を巻いて展開していくとてもわかりやすい物語。
ルーのうたの魅力は、そこで展開されていく音楽や登場人物のかわいさ、ユニークさ。そしてやや寂れ加減のある地味めなテイストの漁村のカラーに対し、魚達の色彩や水の色のイリュージョナルな美しさが映えること。映えること。
アニメーションで特に印象的なのは、足のダンス。
人魚の魚の足が、人間の足になって・・・ という人間と人魚の架け橋となるような象徴的なイメージもあるが、音楽を聴いた人々が、自然と足から踊りだす。そしてその踊りだし加減も、意志とは別に、足が楽しくて楽しくてたまらず動いているといった素早くリズミカルある動きが魅力的。
