ベルサイユ製麺

MASTER マスターのベルサイユ製麺のレビュー・感想・評価

MASTER マスター(2016年製作の映画)
3.5
ノー・チェック!顔面にふし穴二つ、風が吹き抜ける音がするよ。ゴォォォォ…。
超豪華キャストによる、クライムサスペンス?ジャンル分けが未だによく分かってません。ゴォォォォ…。
『監視者たち』のチョ・ウィソク監督。
主演、超腕利きの刑事役にカン・ドンウォン!対する超・超凄腕カリスマ詐欺師にイ・ビョンホン!!二人の間を何重スパイ?みたいに行ったり来たりする羽目になる不憫な元詐欺師にキム・ウビン!!!…あと、脇役の弁護士にオ・ダルス!!!!ビックリマークのインフレ!
カン・ドンウォンは可愛げのないスーパーエリートで正義感の塊、資質にあった役柄に思えます。(顔付きにちょっとイラっとするんですよね。すいません…。)アクションも頑張ってます!
イ・ビョンホンはあまり記憶に無い完全ヒール。完全に感覚の違っちゃってる怪物詐欺師を説得力たっぷりに演じてみせます。ロマンスグレーもいける!アクションは封印。
キム・ウビンは詐欺グループの若き幹部で、弱みを握られ警察に操られる、まあまあ情け無い役回りなのですが、コレが良い!今まで正直“実写版御堂筋くん”ぐらいに思ってましたが、初めて彼の良さが分かったような気がします。
オ・ダルスは、オ・ダルスだ。

マルチ紛いの超巨大詐欺グループと彼等を摘発したい警察の騙し合い(詐欺グループが数段上手)、出し抜き合いの様子が比較的落ち着いたトーンで積み重ねられる前半、「あぁ、コレは地味目でリアルな警察物なのだなぁ」とか思い始めてた開始53分目辺りから、急激に物語が転がり始めますよ!そっから後はダイナミックに別次元の話に突入、頭が酸欠でクラックラしてきます。欺き合いも更にアクロバティックになり、福本伸行のピカレスクロマン漫画を彷彿とさせます!おもろい!派手なドンパチも終盤まで温存で、そのぶんカタルシスが凄い。更にご褒美的にカン・ドンウォン×キム・ウビンが急に腐ってくれたりとサービス精神旺盛。…旺盛!
韓国映画メインストリームの派手な格闘アクションやドロドロにエグい描写も有りませんが、じわじわ丁寧に積み重ねた伏線や人間ドラマが見事に回収され、まるで大河ドラマを全話見終えた様な充実感が味わえます。ちょっと長めでは有りますが、観れば納得だと思いますよ!おススメです。エンドロールで軽くコメディシーン挟まれるも、結構人が死んでるのだけどな…とかそんなのは単なるZAREGOTOです。
あと、スマホを車窓からポイポイするヤツ、カッコいい!やってみたい!