カタパルトスープレックス

血のお茶と紅い鎖のカタパルトスープレックスのレビュー・感想・評価

血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)
4.0
アメリカのクリスチャン・セガフスキ監督によるストップモーション・アニメーション。ダークなイジー・トルンカですね。きゃりーぱみゅぱみゅの世界観を作った増田セバスチャンやトミー・ヘヴンリーに近いキュート&ダーク。チェコのストップモーション・アニメーションが好きな人なら絶対におすすめ。

話は非常に単純で貴族のハツカネズミに奪われた人形をクチバシネズミが取り返す旅に出る話。なんと、これを作るのに13年かかったそうです。造形がとにかく凝ってます。旅の途中のイベントでのアニメーションも芸が細かい。

タイトル通り赤を中心としたカラーコーディネートがいいです。ハツカネズミは白と赤、クモは黒と赤、クチバシネズミは茶色と赤で同系色。多分、この赤にいろんな意味を込めているのでしょうけど、私にはその比喩を読み解くことはできませんでした。物語を深読みするタイプの映画というより、素直にアニメーション造形と世界観を楽しむ作品だと思います。

音楽もすごく好み。Mark Growdenというアーティストが担当しているのですが、アメリカのルーツ音楽っぽい現代音楽を普段はやっているようです。探してみると"Shakespeare's Greatest Hits"(シェークスピアのヒット曲集!)というコンピレーションに参加していて、この映画が気に入ったらこのアルバムもおすすめです。