カント

ギリーは幸せになる/ギリー・ホプキンズの不機嫌な日常のカントのレビュー・感想・評価

4.0
ネグレストされた少女ギリーのドラマ。ギリーは幸せになれるのか。(未だかつて、こんなネタバレの邦題タイトル有ったかしら?)

ギリーの心の動きを丁寧に描いていて好感の持てる良作。特に(益々肥えた)キャシー・ベイツ演じるトロッターさんが素晴らしい。今の若者に必要な「無条件の承認」を体現している。

▼陰険で狡猾で凶暴な孤児ギリー。
“強がりのベール”で身を纏わなければママが居ない寂しさに押しつぶされてしまう。
トンプソン・パークに預け入れられたギリー。里親のトロッターさん。年少のWE。盲目の老人ランドルフさん。

甘えたいのはママだけ。攻撃的なバリアを展開して、ハリス先生もアグネスちゃんもラジーム君もシカト。
▼盲目のランドルフさんに朗読を頼まれた。オックスフォード英国詩選ワーズワースの一節。
「風に飛ぶ 賤しき花にも
 涙誘う 深き思いを生む」
訳分からねーと強がりを言いつつも、自分に賤しき花を重ねるギリー。

ママがサンフランシスコに居る事が分かった。バスで片道189$。
WEを紙ヒコーキで抱き込みアグネスを利用し、ランドルフさんの本棚の$札を握りしめて、ギリーは家出する。

警察に連れ戻された時、必死に庇うトロッターさん。目は見えないはずなのに、ランドルフさんは亡き奥さんの写真を眺めている。

微細な心の変化を積み重ねてトンプソン・パークに慣れた頃、ギリーの祖母が現れるのだが……。

▼キャシー・ベイツは巨漢に成りすぎて中性脂肪が心配。オクタヴィア・スペンサーは少し痩せた気がする。
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