貧すれば鈍する。しかしながら子供の視点や感情を全く無視した大人の身勝手さに最後まで逃げ出さずに向き合った息子が一番大人という皮肉。子供は親を選べないという現実をしっかり受け止めつつ忠誠葛藤に揺れる少年の辛さが見るに耐えないが写真の様な田舎の風景と音楽が中和してくれる。これが都会の話だとグレて不良少年グループに自分の居場所を求めてしまうのかも知れないが逆にど田舎だから逃げ場も受け皿も無かったのだろう。子育ては親が子供に育てられる部分も大きい。日本でも核家族化が進み田舎で孤立化しているこの物語と同じ状況化に晒されている子供は多い。血は繋がっていても子供は別人格で一人の人間である。子供の視点を大切にしようと言うテーマは今の日本に一番欠けている視点だ。単独親権による子供の奪い合いなど未だにやっている野蛮な国は法律的にも日本と北朝鮮だけだ。日本の法務大臣に是非観てもらいたい。子は鎹という夫婦復縁の最後のチャンスを子供から奪う国家に少子化や児童虐待を論じる資格は無い。子供の家族への思いと力強さは何にも勝る。
