竹野康治郎

ワイルドライフの竹野康治郎のレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.6
俳優であるポール・ダノの初監督作品です。原作はリチャード・フォードが書いた「WILDLIFE」になります。原作は読んでいません。

何気ない出来事によって家族のすれ違いから崩壊を14歳の少年視点で描いていく作品です。独特なカメラワークで、14歳の感情をうまく引き出しつつ両親の崩れていく結果を見せていくのが今まで味わったことがない空間を感じました。とにかく子供の感情を第一に表現し、物語が展開していきます。展開はわかりやすいですが、その独特感が不思議でした。

そして3人の演技がとにかく凄かったです。仲の良い家族の雰囲気、ちょっとしたことで空気をバッサリ切る狂気的な部分、子供が家族でありたいと願う、ささやかな抵抗など刹那の感情表現が何とも言えない胸苦しくさせる演技が本当に良かったです。

反面教師炸裂な映画ではありますが、どの家庭にも起きそうな話だからこその在り方を改めて感じるにはいいかもしれません。

2019年公開作品  96本目
竹野康治郎

竹野康治郎