けーはち

ワイルドライフのけーはちのレビュー・感想・評価

ワイルドライフ(2018年製作の映画)
3.7
60年代モンタナの田舎町、ゴルフ場で働く父親(ジェイク・ギレンホール)は解雇、まともな仕事に就けず何か意固地になって山火事の消火の仕事に出かけてしまい、母親(キャリー・マリガン)は地元の名士と不倫を始める。思春期14歳のボク(エド・オクセンボールド)大変。という家族崩壊ドラマ。「WILDLIFE」ってフレーズは帰ってきたトーチャンが「畜生、話通じねー」みたいなニュアンスで出てきたけど、そもそもカーチャンは山火事をボクに見せて「動物は子供から焼け死ぬ」みたいなことを言っていて「生き抜くって大変よ」という覚悟を表明したりするシビアな人。そんな元教師で現実的・悲観的な考え方のカーチャンに対し、楽天的・理想・プライド重視の(そのくせ実力が伴わないためうだつの上がらない)トーチャンでは、スレ違いは明白。それでも14歳のボクがめげずに一定の形でぎりぎり家族を繋ぎ留めたあの結末には優しいポール・ダノ監督の視線を感じる。山火事の長回しや、壮大で美しい風景が印象深い。