ジャック

さらば愛しきアウトローのジャックのレビュー・感想・評価

さらば愛しきアウトロー(2018年製作の映画)
3.5
 憧れのロバート・レッドフォード最後の出演作と言うことでとにかく観ないと話にならない。映画を観ているという感覚よりも、スクリーンに写る銀行強盗役のレッドフォードを郷愁とともに眺めていた。彼の場合、監督、プロデューサー、サンダンス映画祭の主催者と全方向で映画界を支える、根っからの映画ファンでもある。
彼が演じるのは、身なりの良い老人で、紳士的に銀行窓口から現金を頂戴するという。特に最近の彼の出演作のスタイルを踏襲していることは分かるが、どうしてそのような狡猾なスタイルが身に着いたのかは、分からない。幼少期から盗みを働き、拘留されても脱獄を繰り返すという背景が最後に紹介されるが、そんな境遇からは、紳士的なバックボーンがあることを想像することが出来ない。それゆえに、レッドフォードが演じてきた歴史を感じてこその作品だと思う。スクリーン上から姿を消すのは寂しいけど、既に彼の作品作りの方に興味が移っているから、イーストウッドと同様、これからも問題作を見せてほしい。
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