かつて泥棒稼業に足を踏み込んでいた大貫はじめは、足を洗い恋人の美沙と幸せな同棲生活を送っていた。しかし、かつての泥棒仲間の畠山則男に脅され、則男とともに泣く泣くある豪邸に泥棒に入る。忍び込んだ豪邸で「主人」「絵本作家」「編集者」と次々と別人に間違えられるはじめは、役柄を必死に演じることに——。
原作の舞台演劇は、かなり好きで思い入れも強い。映画も悪くはないのだが……。
一発勝負の舞台のために、練習をつみかさねて作り上げられた、あの絶妙な間とタイミングがこの作品(舞台)を傑作にしていたのだと改めて感じた。
編集されて別々のカットとして映し出されると、どうしても、周りの勘違いと、はじめの嘘をつき通すときの面白さが薄れてしまう。
舞台演劇の「泥棒役者」を改めて観たくなった。