やんげき

BEATOPIA ビートピアのやんげきのレビュー・感想・評価

BEATOPIA ビートピア(2017年製作の映画)
4.0
何気にめっちゃ心動かされた作品。
正に2017年の世代観をめっちゃ感じる作品。
のくせにあざとくタワレコを巧みに組み合わせてくるのずりーぜ!
小川監督(22歳)!アンタはタワレコなんて行かないだろ!音楽はyoutubeかApple musicかspotifyだろーが!MD世代なめんな!と思うけど、タワレコのポップと視聴台で地方で知り合った奴がデビューした1stミニアルバム手に取っちゃうのマジでどストライクのエモアクションだからやめて!

鹿児島の阿久根市オールロケの作品に溢れてるのは、地方vs都会なんかじゃなくて3.11後の地方から全国への文脈からなる明るい地方文化論。

それでも田舎あるあるは欠かさないし、それでいて特産品の紹介から町おこし企画まで器用に取り揃えてるの何なの!

そして高校生ラップデュオにhiphopじゃなくて「なんでラップやってんの?」とか引きこもりの奴がラップの中でいう「友達なんてもどかしい」というライムとか、本当現代過ぎるわ。
※因みに同じティーンズを描いた松井監督(1985年生まれ)のアイスと雨音では「友達はみんな知恵遅れ」と言っていた。

俺はアイスと雨音の方が全然分かるんだけど、現代では友達を知恵遅れなんて言う奴はいないとも思う。知恵と知識の違いを十代で考えるのは不毛だし、深刻過ぎるけど、現代は情報が溢れ過ぎていて、だけど言葉が不足している時代だ。だから、もどかしいはすごく今な感覚で、しかも家を継ぐ問題も反発では決してないのもめちゃくちゃ今だった!

今、今、今の青春が畳み掛けて来て、今すぐタワレコで若いバンドのCDを買わなくちゃ!と思ったけど、松本のタワレコ潰れたんだった…という別の今に直面しました。

そして監督にしてヒロインの小川紗良ちゃんがすっげー清純派美少女のくせに監督、脚本、編集までやってる!才女かっ!
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