特濃ミルク

羅生門の特濃ミルクのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.6
 真実はいつもひとつ!…とは限らない。
タイトルは羅生門だが、内容的には芥川龍之介の小説「藪の中」をベースにしつつ、同作者の「羅生門」の要素は少し加えたスパイス程度のものになっている。そんなキメラ作品だが、両作品は本質的な部分で繋がっているので、結果的にはそれが見事に調和した一本の映画になっている。
 人間の真理を深くついたストーリー、迫力ある演出、キャストの怪演、どれをとっても素晴らしいマスターピースだ。…しかしどうしても気になるのは、(黒澤明あるあるかも?)セリフが聞き取りづらい所があること。自分の場合レンタルDVDで見たのだが、字幕の設定ができなかった。
 聞き取りづらいくらいの勢いでまくし立てることである種の迫力が生まれることもあるのだが、どうしてもストレスに感じる人もいると思うので字幕付きで見る事を推奨する。黒澤明作品全般に言えることだが。
特濃ミルク

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