Saaaaa

羅生門のSaaaaaのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
-
淫らで卑しい願望を持つこの女の気持ちがわからなくもないのが悔しい

私がこの映画で見た事実とは、降り止まない雨と、女の旦那が死んだことと、泣いている赤ん坊だけのような気がする。その他の食い違う意見らにいちいち誰々が真実であるだとか信頼できるものであるだとか言うてもキリがないし翻弄されるのも馬鹿げている。余計な感情移入をせずにそこにある事実だけを見ればいいだけ。過去の物事を大勢の他人が見ていないことをいいことに証言の場であるにもかかわらず自分に都合の良かったように記憶を塗り替え、話す。この映画の中で恐ろしいものとは、死体でも人を殺す行為でも盗賊でもなく、あまりにも利己的に物事を解釈してしまう人間が多いということだ。それに、ここに至ったのは〇〇に違いないと憶測を立てて自分のことではないのに勝手に腹を立てたり蔑んだり余計な感情を湧かしてしまう人間も。
Saaaaa

Saaaaa