肉体派俳優・京マチ子──マスメディアが俳優の頭にくっつけて使う「演技派」あるいは「肉体派」という謎表現について。あれは人間を「二足歩行派」とか「肺呼吸派」とか言ってるようなもんで意味不明だよね。しかし京マチ子は観ていてすごく肉体を感じる俳優で、肉体派と言ってもいいかもしれない。顔・胴体・四肢の迫力。三船敏郎とふたりで画面を占める時、三船敏郎よりも物理的に大きく見えるくらい(実際の身長は三船敏郎のほうが15cmほど高いみたい)。それでいて体の動かし方が細やか。10本の手指がそれぞれ別の生き物みたいにバラバラに動くシーンが2度あって驚いた。
京マチ子が検非違使にことの経緯を話すシーンあたりから使われている劇伴がめちゃくちゃボレロっぽくて面白かった。1音もあってないボレロみたいな。
木漏れ日ってあんな風に撮れるんですね(宮川一夫のすご腕の成せる技でしょうか)。
【死ぬまでに観たい映画1001本(第五版)】
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