トトCINEMAライフ

羅生門のトトCINEMAライフのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.2
最初に書くのもなんだが、この作品が難解だと思う人はそれが当然だし、自分も見る度に印象や感想が変わる

わかり易く現代に当てはめると、昨年から続く一連の大相撲協会の事件がそうだ…横綱の暴力問題から始まり引退、まるで漫画のように被害者の関取も付き人に暴力で引退…その間の関係者の証言はそれぞれ食い違っている・・・保身か?!恐怖か?!忖度か?!

そんな関わった者の視点や考えで物事や言い分が変わるのを如実に表している醜聞だ…まさに真実は【藪の中】

物語や人間の業の深さ…真実と事実は違う

そういう真実は分かんないって深い話だと受け止めている

BSのデジタルリマスター版で再見したが、モノクロの羅生門の圧倒的な佇まい、雨の量、森の木々の映像の美しい事…そして斬新な編集

自分は、三船敏郎演じる山賊と、森雅之演じる武士の果し合いシーンが印象的

命のやり取りは妙なリアリティがあるし、その必死さからか、凄い運動量だと思う・・・なんて とこに注目してしまう天邪鬼

まぁ何回目かだからイイだろう😌

そして、森雅之の京マチ子を蔑む目のシーンは背筋が冷たくなるほどの名演だ…どうやったら、あれほど冷たい目と表情が出来るのか?😲