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羅生門のkazu1961のレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.2
「羅生門」
1950/8/26公開 日本作品 2018-041
再鑑賞

世界で日本映画の評価が高まるきっかけとなった作品ですね。
人間のエゴ、心の闇を鋭く表現した素晴らしい作品です。冒頭の志村喬の謎掛けのような言葉から物語が始まるミステリー仕立ての脚本も最高ですね。
何が真実かより、それぞれの立場で人間のエゴが鋭く表現されています。ラストの志村喬の善が一筋の光明ですね。
自然光を生かすためにレフ板を使わず鏡を使ったり、当時はタブーとされてきた太陽に直接カメラを向けるという撮影を行ったり、その画期的な撮影手法でモノクロ映像の美しさを極限に映し出しています。
世界にクロサワの名を知らしめた貴重な作品ですね。

世界にクロサワの名を知らしめた歴史的作品。芥川龍之介の短編小説 『藪の中』と『羅生門』を原作に、橋本忍と黒澤が脚色し、黒澤がメガホンを取った。平安時代、都にほど近い山中で貴族女性が山賊に襲われ、供回りの侍が殺された。やがて盗賊は捕われ裁判となるが、山賊と貴族女性の言い分は真っ向から対立する。検非違使は巫女の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得ようとする、それもまた二人の言い分とは異なっていた……。豪雨に浮き立つ羅生門の造形美、立ち回りシーンの迫力、生き生きとした役者たちの演技などすべてが印象深い作品。ベネチア国際映画祭でグランプリを受賞した、黒澤明の出世作である。米アカデミー協会の全面的バックアップを受け、映像とサウンドを修復した「デジタル完全版」が2008年に公開された。
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