たけちゃん

羅生門のたけちゃんのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.3
わかんねぇ。さっぱり、わかんねぇ。


黒澤明 監督 1950年製作
主演 三船敏郎、志村喬、京マチ子


ただいま帰宅しました(^-^)
ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に参加していましたたけちゃんです。本当は昨日だけの鑑賞も考えてましたが、どうしても今日も観たくて、急遽、ホテルを取って泊まってしまいました(笑)


ということで、朝の10時から観たのは「羅生門 デジタルリマスター版」。
以前「天国と地獄」のレビューで書きましたが、黒澤明監督は大好きなんですが、劇場で観たことがなかったんですよね。この「羅生門」も大スクリーンでは初鑑賞です。

今回、この映画祭、音響が素晴らしいようで、なんでも、爆音上映で知られる立川と同じ音響設備だそうです(立川、行ったことないけど……)。なので、セリフがとってもよく聞こえました(^-^)
リマスターされた映像と共に、満喫しました!




さて、「羅生門」ですが、改めて観て、やっぱり面白かったですね~。芥川龍之介の「藪の中」が原作ということもあり、文学的な香りを残しつつも、映画表現の良さを存分に発揮した作品でした。

ベネツィア映画祭で金獅子賞を今作が取ったからこそ、この後の日本映画への高い評価や北野作品などに繋がるんだという話はその通り!と思って聞いていました( ˘ ˘ )ウンウン






僕は10代の頃に原作の「藪の中」を読んでいて、それから黒澤作品に触れたので、こんな話に変わるのか!と驚いた記憶があります。黒澤明監督の脚本力が、まず素晴らしいんですよね。

羅生門のセットも素晴らしいですよね。実際に組み上げたら、あまりの大きさに柱が持たなかったので半分崩したんだそうですが、それが逆にリアリティを生んでましたもんね。スゴイ…



この作品は改めて説明も不要ですが、死体で発見された侍の死を巡る4人の証言が食い違い、果たしてその真相は?という作品ですね。

登場するのは
1人目、三船敏郎演じる多襄丸。洛内洛外に知られる悪党の設定。

2人目は多襄丸に殺される武士の金沢武弘、演じるのは森雅之です。

3人目はその金沢武弘の妻で京マチ子が演じる真砂。彼女は多襄丸に手篭めにされます。

そして、最後の証言者は、第一発見者でもある杣売り(そまうり)の男。志村喬が演じます!


他に、旅法師役の千秋実と、上田吉二郎が演じる下人らが出ます。


この4人がそれぞれ別々の証言をするんですが、真相も然る事ながら、問題は、なぜ、彼らは嘘をついたのか、というところです。4人とも嘘をつく理由があるんですよね。今作のポイントはそこにあります。ぜひ、一緒に考えて観てください。



あ~、そうそう、劇伴にラベルの「ボレロ」が使われていたのを、今回初めて気付きました(。・ω・。)ゞビシッ!!



さて、映画祭では、本編の前後に、映画祭の進行役となる方に加え、解説者として笠井アナが出られたんですが、この「羅生門」の解説が1番面白かった(^-^)

昨今話題の森〇問題を絡め、いろんな人が嘘の証言をするので、真相が藪の中であることを揶揄していました。なかなかに鋭い!
まさに真相をついていた( ˘ ˘ )ウンウン