そのじつ

羅生門のそのじつのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.0
有名な黒澤明作品だから、とミーハーな動機で観てみて圧倒された。原作は芥川龍之介の「羅生門」以外に「藪の中」も入っている。
倒叙で徐々に真相が明らかになってゆくのがスリリングで、目が離せなくなる。悪党が悪人だとは言い切れない心情へと心理を覆してゆく語りが見事。

女の受動的生き方が自己保存欲と自然に結びつく事が罪かと問われれば、否と言いたいのだが、そんな動物的なあり方を人は好まないのだろうか。アメリカ製のリメイク作品も観たが、この女の存在感がまったく無くて「羅生門」らしさが失われていた。俳優達の演技も見事でありました。
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