Yuya

羅生門のYuyaのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.8
もしも 降りしきる雨が 人の罪を洗い流すならば
世は どれだけの長雨を 耐え忍ばねばならないのか…
現世は 地獄か否か
人を信じる心は 愚かか救いか

そんな問いかけを 圧倒的な筆圧で ロジックのみを提示し 全てを受け手に
いや“神のみぞ知る”境地へと 解き放ってしまった名作
脳裏にベッタリと張り付くような 定説を難問に変えてしまう技巧は どれだけの後続を生んだんだろう

芥川作品においては『藪の中』に重きが置かれているものの 焼け付く日差しの中の男女三人と 雨打つ門の下で回想に耽る男三人のコントラストが 完璧な構図となっているあたり まさに卓越したセンスの成せる業