ブルームーン男爵

羅生門のブルームーン男爵のレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
4.0
圧倒的な人間描写に息を飲む。芥川龍之介の「藪の中」が概ねのプロットだが、小説を見事に映画化している。役者陣の迫真の演技はあまりにも見事で、人間のエゴイズムを鋭く切り取る。白黒映画は水墨画のようで美しい。

金獅子賞・アカデミー栄誉賞を受賞しているが、驚くべきは本作は終戦5年後に公開されている点。戦後すぐにここまでの傑作を生み出せた、当時の日本の文化水準の高さには驚きを隠せない。