ナイトメアシンジ

羅生門のナイトメアシンジのレビュー・感想・評価

羅生門(1950年製作の映画)
3.8
脚本家・演出家・演技トレーナー・映画評論者の4つの顔を持つナイトメアシンジです。

今日、ご紹介するのは、あまりにも有名な日本映画「羅生門」です。

映画「羅生門」は”人間の怖さと愚かさ”を描いた名作映画。

監督はご存知、日本が世界に誇る黒澤明。
(説明するまでもないでしょうが)

多襄丸役に三船敏郎。
武士の金沢役は森雅之。
金沢の妻真砂役は京マチ子が演じています。
(京マチ子は2019年5月12日に逝去。ご冥福をお祈りします)

【人間が怖い映画「羅生門」】

証言者によってくい違い、結局どれが真実なのかわからない。しかし、筆者が一番怖いと感じたのは、実はラスト。

(これは映画「羅生門」の評価と異なる見解であることを最初に明記しておきます)

多くの映画評論は”最後に一筋の光明を見出した”と述べていらっしゃいます。ですが、筆者は旅法師から子供を受け取り、にこやかに立ち去る杣売りを見て、”人間の怖さ”を再認識しました。

”ウソの証言をして、刀と短剣を盗んだであろう杣売りがこの後、この子供を本当に育てるのだろうか?”(そう考えたら怖いと思いませんか?疑心暗鬼のかたまりですいません)

【日本映画「羅生門」のすごさ】

この映画では、真砂が手篭めにされるシーンや金沢が殺されるシーンは直接的に描かれていないのが特徴。
(見る者に委ねている)

金沢と多襄丸の格闘シーンは、長めのカット割で見事に見せています。
(入念なリハーサルがなされたことは想像に難くない)

金沢の背中越しの”京マチ子の画”なんて、もう完璧。
(撮影は宮川一夫。溝口健二や黒澤明らの作品のカメラマンとして有名)

刀が風を切る効果音がないのも新鮮。
(びゅーんってやつ)

京マチ子の名を世界に轟かせたのも、この映画「羅生門」でした。
女優として、”生涯独身”を貫き通した京マチ子。


長きにわたり、日本映画界を底上げしてくれた女優として長く後年に語り継がれることは間違いありません。素晴らしい女優でした。

(あえて、批判を承知で申し上げますが、女優川栄李奈の24歳での結婚、出産は驚いた。24歳という最も油が乗り、これから大きな映画賞も取るだろう逸材が女優業から一時的に退くのは惜しまれる。もちろん、幸せになって欲しいし、祝福はしますけど)

いや、しかし、この映画「羅生門」は三船敏郎の躍動感がハンパない。
(天才)

笑顔のショットなんて凄すぎる。
(すべての俳優は参考にすべき)

「羅生門」は今から半世紀以上も前の映画です。
その技術とセンスは舌を巻く。


詳しいキャスト&あらすじは【ホラーの王子様】をご覧下さい👇

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