羅生門の作品情報・感想・評価・動画配信 - 3ページ目

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「羅生門」に投稿された感想・評価

Sakura

Sakuraの感想・評価

3.8
人間のエゴを大いに表現した作品...

最初とりあえず観とくべきだなーと思って観始めましたが、夢中になってしまいました
芥川龍之介の原作は読んだの随分前だからあまり覚えてなかったけれど、すごく面白かった。

この映画のメッセージについては、深いセリフ、シーンがたくさんあってとても一回では咀嚼できない濃厚さ。

そして堂々と建つ、荒れ果てた羅生門の趣深い美しさ。

何言ってるかわからないんじゃないかって思ってたけど杞憂に終わりました。役者の演技にも圧倒され、90分があっという間でした。
かっこいい!→だっさ……→可愛そう!→だっさ……

の感情の起伏を楽しめた。本当の人間らしさってなんなんでしょうかね。僕的には全員人間の心の部分が如実に出ていて面白かったです。
原作にインスピレーションを得た黒沢が演出した作品。とにかく映像がすごい。こんな質感の映像はもう撮れないのではないかと思う。絵の構図の美しさに見惚れた。
白黒なのに最後まで飽きずに見た。
京マチ子、存在感ある。
入り込んで見ていたせいか、ラストでうるっときてしまった。
森雅之の蔑んだ目!!ハンサムすぎてわしなら蔑まれても構わない。志村喬のオロオロ。三船敏郎の若い肉体。京マチ子の無双ファムファタル。
arch

archの感想・評価

4.4
人の善性を描くことを貫いてきた黒澤明は珍しく前作「醜聞」では弱い人間という立場から正しくある人間の尊さを描いた。そして今回、遂に黒澤明の作品は羽化し、人の持つ悪性を強烈なコントラストで描いて見せた。
同じ出来事を語り手毎に食い違う視点で語る本作の構成は真実の危うさとそれに付随する人間の醜さを悲観的に物語っている。これまでの作品に見せた人の善性は本作には僅かにそして最後にしか提示されない。しかし、その僅かに提示された希望こそが観客に伝えたいテーマなのだ。
本作は決して人の醜さに絶望した作品では無い。人の善性を信じるが故に問いかけるのだ、「人を信じることは間違いなのか」と。
この問いかけは黒澤明の人類愛に他ならない。戦後の辛い現状を生き抜く人々の悪面ではなく、良面を信じて止まないからこそなのだ。

羅生門と藪の中、この2つの場所を様々な角度でカメラに捉える宮川一夫のおかげで本作は様々な角度を持つ作品に仕上がっていて、観る者を飽きさせない。またキャスト陣の演技力も凄まじい。中でも京マチ子の妖怪のような迫力、同じ映画で様々な形相をしてみせる姿こそ本作、羅生門の魂といえる。
これまでとは打って変わって難解な本作、ここでまた黒澤明はワンステップ上がったのだろう。
傑作でした。
凄い・・・の一言に尽きる。
俳優陣の怪演もさることながら、カットやカメラワーク、音楽も最高だし白黒でも自然光の美しさが印象的。
普遍的な人間の汚さ、恐ろしさ、身勝手さを分かりやすく描いてる。
男2人の殺し合いのシーンが時代劇のチャンバラみたいにかっこいいものじゃなくてめちゃくちゃ滑稽なのがリアル。

国立映画アーカイブでやってる羅生門展行かなくちゃ。

黒澤明、みんななんでそこまで好きなんだ??とか思ってた昨日までの私にさよなら。
今回見返してみて、宮川一夫のキャメラと早坂文雄の音楽が素晴らしいのを改めて確認できた。
映画としては、何かこの映画を撮ってからでしか、黒澤は前に進めなかったような精神状態ではなかったかと勝手に推測してしまった。うまく説明できないけど。
あまね

あまねの感想・評価

3.8
何が真実で何が嘘なのか。
ラストシーンの解釈は人それぞれだが自分は後味が悪かった。
視点が変わるたびに真実だと思ってたことが、見栄と恥を隠すための嘘だとわかり、ハッピーエンドのように見えるラストですら嘘なのではないかと疑ってしまう。