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ぼくたちのジュネーヴ条約のemilyのレビュー・感想・評価

ぼくたちのジュネーヴ条約(2016年製作の映画)
3.5
 金銭トラブルにより少年は待ち伏せされていて、それにハキム達も巻き込まれてしまう。喧嘩は避けたいところだが、果たして少年たちはどう切り抜けるのか。

 日常に起こりゆる喧嘩のシーン。友達だからなんとか守りたい、なんとか喧嘩だけは避けたい。女の子二人も巻き込まれ、ドラムの音とともに緊迫感のある逃走劇が繰り広げられる。そこから思わぬ展開に転がり、作品のトーンは真逆の平和的な畳みかけをみせるのだ。たった40ユーロ、言い出した小太りの少女の心の美しさを見る。
 冒頭の不穏な空気がきれいにラストでは逆転し、喧嘩では何も解決しないことを改めて考えさせられる。シンプルなことで、世の中はやはり助け合いの精神で成り立っている。短い時間にストーリーの意外性と大きなメッセージを植え付け、印象に残る作品に仕上がっている。
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