DanielHGenta

影と翼/翼と影をのDanielHGentaのレビュー・感想・評価

影と翼/翼と影を(2015年製作の映画)
3.0
マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2017
(myFFF) 13作目
約12分チョイの短編映画。


ある暗闇の中で生きる
2種類の鳥たち。


一方は

翼を持つ“青い鳥族”

その中でも
大きな翼を持つ
認められた鳥だけは

鉄の鎧を身に纏い

翼を封じられ
鉄の鎧からは出せるのは
目とクチバシと足だけ

しかし、
それがこの国での
権力者の象徴
認められた証なのである。


そのもう一方では

翼はないが、
自由に空を飛べる“ひよこ族”

だが、鉄の鎧たちに
飛ぶことは禁じられ
足には石の重り

“ひよこ族”が飛べることは
鉄の鎧を纏った者だけしか
知らない真実


そんなある日
“青い鳥族”の2羽が

“ひよこ族”が
空を飛べることに気が付く!


その2羽の“青い鳥族”が
とった行動はいかに!




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以下、
個人的解釈による
ネタバレを含みます


では、いってみよう!

٩("ω")و

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意図してこの土地で
生きているわけではない

今の世の中に
なんの疑問も持たず
それが当たり前の世界だと

暗闇の世界が
盲目を生んだのではなく

疑問を持たず
そのまま受け入れて
しまっていることが
盲目なのではないか


その2羽の“青い鳥族”は
自分たちの世界に違和感を感じ

そこに可能性を見出した

それが
奴隷的な存在であった
“ひよこ族”の足の重りを
外してあげることによって


そして自分たちもまた
意図した世界に羽ばたいた


そこで大地の希望に根を生やす。


翼があろうと なかろうと
だれもが空を飛べる世界がある
だれもが空を飛んで良い世界がある


2羽の“青い鳥族”=先人たちによって

僕たちは今、こうして自由に
飛べる世の中で暮らしているのだ。


と、同時に

今もまだ暗闇の影の中で
何の疑問も持たず
鉄の鎧を纏うことこそを
重要視している人たちも

今もまだ暗闇の影の中で
飛ぶことが許されないことが
当たり前の“ひよこ族”として
暮らす人たちも


両方が今もなお存在していることへの
メッセージなのかな


ラストの画
カラフルな水墨画のようで
すごいキレイだった

ただ、この美しい画もまだ
余白だらけ…
DanielHGenta

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