マイ・フレンチ・フィルム・フェスティバル2017
（myFFF） １４作目
約１４分チョイの短編映画。
【知っておいた方がいいこと】
ブルカ
イスラム教徒の女性が
全身を覆うテント状の布
ブルカ禁止法
フランスは２０１１年より法律で
公共の場所でのブルカの着用を
全面的に禁止している
信仰・表現の自由の侵害だと
今も議論が続いているようだ。
【ストーリー】
ここ一週間 毎晩のように
黒いブルカを纏った謎の人物が
夜の街に 現れては消え
消えては 現れを繰り返し
フランス警察を挑発している
このこともあってか
イスラム教徒と思われる若者たちは
警察からあらぬ疑いをかけられる
それに憤慨した若者たち
警察を痛い目に合わせてやると
血の気であふれかえる。
一方、
中年オヤジ ヴィンス（ヴァンサン・カッセル）
ある葛藤を抱えながら
ゴム工場の出荷仕事をしている
仕事は単調
女上司にイライラ
家に帰っては母の介護
我慢の限界に達したヴィンス
家を飛び出し
あるところへ向かう
過去に決別したはずの場所へ...
ヴィンスはいったい何と葛藤しているか...
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以下、
個人的解釈による
ネタバレを含みます
では、いってみよう！
٩("ω")و
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〈依存症〉と〈ブルカ禁止法〉
これがこの映画の２大テーマ
なのでしょうか？
ヴィンスは十数年前
街中での暴力行為、反抗
警察に対する暴行によって
刑務所に入る。
時は流れ、出所から１３年
真面目に働いている
実はヴィンスの暴力行為etc...
彼は、それに依存することで
自分を保っていたのだ。
ヴィンスの行動は病からくるもの
その病と共存しながら
暴力的な行動を必死に抑えながら
自分に言い聞かせながら
働き、母を支えてきた１３年間。
しかし１週間前から
抑えてきたものが
黒い亡霊 となって現れた
ブルカ を纏うことで
街を混乱させ
自分の居場所を探している
もう我慢の限界に達し
抑えていたものが爆発し
かつての自分の居場所だった
若者たちが たむろする場所へ。
そこでは、
ヴィンスのストリート武勇伝は
今も伝説として語り継がれている
ヴィンスは
優越感、プライド、エゴで満たされる。
そして、
亡霊 が完全に蘇ってしまう
十数年前のヴィンスとなってしまう
神となったヴィンスは
何十人もの若者に ブルカ を着せ
警察を混乱させる
警察を取り囲んだ
ブルカ の集団
そこにヴィンスは現れ
警官を殴る！
でもこのときのヴィンスは
ブルカ を被っていなかった！
優越感に満たされた今でも
症状と葛藤していた姿
なのかもしれない。
殴ったあと、我に返り
その場を逃げるものの
１人の警官につかまってしまう。が、
「明日、集会に来なければ強制連行だ。」
と条件付きで見逃してもらう
この集会 というのが
断酒会 のようなもので
進行中の病気の影響下によって
暴力行為＝ヴァイオレンス
をしてしまう人たちが集まる会
だとうかがえる。
これがタイトルの
『グループ・ヴァイオレンス』
の意味するところなのでしょうか。
この集会のメンバーの中には
見逃してくれた あの警官もいる
その警官も同じ苦しみ
葛藤を抱える仲間
だったからこそ
チャンスを与えてくれたのだと思う。
この集会でヴィンスは
この１週間に起こした混乱
昨晩の事件について
仲間に正直に告白する
自分の居場所が あそこにはなかったこと
自分のことが嫌いなこと
いくら混乱を起こしても
いい気分には ならなかったこと
ヴィンスにとっては
１３年間おとがめなしのお祝いとなる
はずだった集会
自分のとった行動を反省し
今日からまた、
最初の一歩を始める
と、みんなの前で誓った集会となった。
アルコールや薬物といった
メジャーな依存症を扱った映画
ではないため
ヴィンスの抱える葛藤が
いかほどのものなのかは
想像の範疇を超えないが
様々な依存症で悩み、苦しみ
前に向かっている人たちがいることと
断酒会のような 自助グループの必要性を
学べた映画だったように思う。
そしてもう１つテーマにあげた
〈ブルカ禁止法〉
ブルカ禁止法による表面的な
国（グループ）の
締め付け（ヴァイオレンス）に
対する映画なのかどうか
判断するには
僕には知識がなさすぎるので
出来ませんが
そんなメッセージも含まれているかも
しれないと思う。
ヴィンスのセリフ
「ブルカを１人消せば平和になる？
１０人ブルカがいたら？
警察はどうでもいい。宗教もだ。」
これが、それを象徴しているようにも感じた。
ふぅ～(´з`)=3
レビューというよりも
僕の視点による状況説明
になってしまったが...
そんな時もありますよね（･ω･)
そして
長文にお付き合いいただき
ありがとうございます。
