MasaichiYaguchi

劇場版 マジンガーZ / INFINITYのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

3.4
「空にそびえる くろがねの城 スーパーロボット マジンガーZ」という水木一郎さんによるオープニングテーマを聴くと、一気に少年時代に戻ってしまう。
この「マジンガーZ」の劇場アニメは、私がリアルタイムで観ていたテレビシリーズの続編になっていて、テレビアニメから10年後の世界が舞台になっている。
だから主人公の兜甲児、弓さやか、剣鉄也、兜シローという主要キャラクターが中心となって活躍し、更にコミカルなキャラクター、ボス、ムチャ、ヌケ、のっそり博士、せわし博士も登場して場を和ませる。
対する敵役も懐かしい面々で、タイトルになっているインフィニティと呼ばれる謎の巨大構造物を巡って甲児たちと死闘を繰り広げる。
その戦いには、ポスターやチラシで分かるように剣鉄也や操縦するグレートマジンガーも登場してマジンガーZと揃い踏みする。
この劇場版ではオリジナルキャラクターで綾波レイを彷彿させる美少女リサが登場するが、彼女は様々な意味で重要な役割を果たしていく。
昨今、世界的にエネルギー問題が取り沙汰され、日本でも東日本大震災後にエネルギーを巡る状況も一変したが、この作品でも無公害エネルギーである光子力がモチーフとなっていて、それが「神にも悪魔にもなれる」存在として描かれる。
やがて地球規模の絶体絶命のピンチに追い込まれた甲児たちは死中に活を求める戦いに身を投じていく。
「パイルダーオン!」から始まる決戦は、永井豪先生の原作が掲載されていた週刊少年ジャンプの「友情、努力、勝利」に根差していて、主題歌の「とばせ鉄拳! ロケットパンチ 今だ だすんだ ブレストファイヤー」と古くからのファンを熱くさせるような怒涛の展開に雪崩れ込んでいく。
来春公開の「パシフィッ・リム」の続編「アップライジング」が話題になっているが、この搭乗型ロボットが活躍するハリウッド映画は、明らかにこの「マジンガーZ」を意識し、オマージュを捧げている。
この劇場版は古くからのファンに懐かしさを覚えさせ、初めての人にとっては「マジンガーZ」の魅力の一端に触れる機会になると思う。