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オン・ザ・ミルキー・ロードのkrhのレビュー・感想・評価

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エミール・クストリッツァ待望の新作!
監督本人主演ということもあり、とても楽しみだった。傘さしてハヤブサ肩に乗っけてロバに乗ってるエミールおじさんかわいい。
カルト色が強くなってるような印象なのと、セルフオマージュが各所にあるので、集大成と言われるわけがわかった。ファンだと楽しい!

前半はコメディで楽しい!戦中でもマイペースにハジけながら楽しんで暮らす人々と、愛おしいほどコミカルな動物たちに笑ってしまう。
おなじみの銃ぶっ放しどんちゃん騒ぎも!
でも今までの映画では、音楽を愛してやまないけど、どこかないがしろにしている感じがまた楽しいと感じてたのに、今回のはただのお祭り騒ぎのように感じてしまって(参加してる住民も素人感丸出しだったし)、ワクワクできなかったのが残念だった。
みんなで歌うその歌詞が「戦争は無くならない」的な内容で、笑って楽しそうに歌い踊るのが印象的。

モニカ・ベルッチは何をしても超絶セクシー!クストリッツァいい思いしてるな〜って終始羨ましく思ってしまう。
トンデモ展開もちょこちょこあるけど、(ドリフ展開はめちゃくちゃ笑ってしまった。あれいる?)監督がモニカ・ベルッチとあらゆるシーンで逃避行したいだけなんだなと思ったら(よくお目にかかるおなじみロケ地巡り感)、細かい部分は許そうと思った…

終盤につれシリアス度が増し、反戦のテーマが色濃くなる。
羊吹っ飛びシーンはかなりショッキング。
(「この映画の撮影中、いかなる動物も傷つけられていません」は本当なのかと心配になるくらい)
ラスト、一瞬のユートピアには、現状の虚しさと映像の美しさの対比で泣けてくる。
いつかの「戦争がなければどうしてた?」のやりとりが効いている。戦争がなければ、石を敷き詰めなくても、天国を胸の中にしまっておかなくても良かったはず…
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