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オン・ザ・ミルキー・ロードのmのレビュー・感想・評価

4.8
映画史に残る名作中の名作「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァ監督、久々の劇映画新作!長編劇映画は「ウェディング・ベルを鳴らせ!」以来だから本当に久々。
バルカン・ミュージックに乗せて繰り広げられる戦時下で人間と動物が入り乱れる寓話的な愛の狂騒劇は嬉しい事に相変わらずで、そのアッパーでカオスなエネルギーも、その裏にべったりと張り付いた紛争と死への底知れぬ哀しみも、クストリッツァ節の全てが健在。「アンダーグラウンド」の主演俳優も登場する。動物達もやっぱり立派に演技する。

監督自ら演じる主人公とヒロイン役のモニカ・ベルッチ(美しい!)が素敵だが、前半でアッパーに暴れ回る新体操経験者のミレナ役スロボダ・ミチャロヴィッチもしっかり印象に残る。

『祈り』が残る結末は監督の世界情勢への絶望が反映されているのだろうか。
今作を観てクストリッツァ監督作品が気に入った方は、是非是非「アンダーグラウンド」を御覧になってみて下さい。一生忘れられない体験になるはず。
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