あなごちゃん

オン・ザ・ミルキー・ロードのあなごちゃんのレビュー・感想・評価

3.3
抵抗する豚を殺してできた、豚の鮮血風呂に、殺されず生きているアヒルが入り込み、アヒルの真っ白な羽に豚の血が染み込んでいた。血の匂いにハエが集まり、アヒルはうるさそうに羽を掻きみしる。。

死する者の側に、生き残った者がいることで、生の重さを感じる。同時に生き残ったところで死ぬ運命ではあることを感じる。紙一重の差で私は今生きており、何かは紙一重の差によって死んでいる。生と死の境界線は脆く、脆さを自覚することから「生」をより強烈に感じる。

エミール・クストリッツァ監督の作品における登場人物は、生を楽しんでいるように思う。
酒を浴び踊り歌い恋に走り友達を裏切り笑い呪いを唱え、エゴを爆発することで、エゴを超越した、「生」に突入している。

以上まではこの映画の冒頭に受けた感想。後半は中弛みしていた。