KKMX

オン・ザ・ミルキー・ロードのKKMXのネタバレレビュー・内容・結末

4.2

このレビューはネタバレを含みます

喜びや怒り、愛の尊さ、内戦の虚しさや大国の介入のクソさ加減、悲しみに嘆き、人間の愚かさやくだらなさ、ユーモアやバカにするようなギャグ、人知を超えた大いなる力などのいろんな具が、濃厚で猥雑なバルカン音楽の出汁とともにグツグツと煮込まれた、旨味Maxの寄せ鍋のような映画でした。とにかく、過剰です。
生命のエネルギーがほとばしり、整合性などクソくらえって感じで、スウィングしながら突っ走るノリに、今まで気づかなかった心のツボを突かれた気分です。いやースゴかった。

正直、ストーリーは漠然としか覚えておりません。でも、「いいんだよ、細けぇことは!」的なパワーを感じて、チマチマと考えるのを止めて感じながら観た結果、よくわかんないけどメチャクチャ良かったという結論に達しました。

全編通して複雑な空気感だなぁという印象もあります。単色ではなく、様々で相反する感情を感じさせようとしているように思えます。
「その複雑さが人間なんじゃないの」とまるでクストリッツァ監督は映画で語っているような。村の襲撃シーンや花嫁が爆死するシーンですら、悲劇でござい、と描写していないように思ってしまった。人間の複雑さを肯定するような、懐の深さを感じました。
ただ、ラストの石を敷き詰めるシーンだけは、悲しみと祈りのトーンで彩られており、印象的でした。

そして、何よりもモニカ・ベルッチが妖艶すぎて最高です!007の時はいかにも、って感じでしたが、本作ではより自然な官能美を感じました。
魅惑的な眼差しと長く豊かな黒髪がとにかく扇情的で、ほうれい線や手のシワまでもがセクシー。仕草や声も艶っぽく、衝撃的でした。美しい人は年齢関係ない、というかそれぞれの年代の美しさがあるのだな、としみじみ思いました。
えらく強烈な癖のある映画でしたが、もっとも印象に残ったのは、結局モニカ・ベルッチでした。イタリアの宝石という異名は伊達ではないです。