そうめん

オン・ザ・ミルキー・ロードのそうめんのレビュー・感想・評価

3.6
冒頭から豚が鳴き、ガチョウが血まみれになり、ハヤブサと蛇は格闘する。そのすぐ隣に爆弾が落ちる。生と死のカオスである。画面からこの現実の異様さがじわじわとにじみ出てくる。
主人公(クストリッツァ)は、銃弾が飛び交う中を、村から戦場へ飄々と淡々とミルクを運ぶ。生と死がいつどちらに転んでもおかしくない異様な状況を面白おかしく見せてくれる。
壮大な自然の描写が素晴らしい。そこで起きるハチャメチャな騒動が浮かび上がらせるのは「生きるって素晴らしい」ってこと。
モニカ・ベルッチがいたから、生きる力を得られたんだろうなあ。