片腕マシンボーイ

オン・ザ・ミルキー・ロードの片腕マシンボーイのレビュー・感想・評価

3.2
マシンボーイ的オールタイム・ベスト「アンダーグラウンド」のエミール・クストリッツァ監督7年ぶりの新作
音楽、動物、戦争に結婚式、喜劇と悲劇をひっくるめた紛いもなきクストリッツァ映画だがいまいちハマれず…、やっぱり「アンダーグラウンド」と「黒猫・白猫」が好きすぎてハードル上がりきってる問題はありますわなぁ

好きになった女が追われる身でヤバい事なんよ、って話

序盤のアヒルたちが血の風呂に跳び込むシーンで!ワイワイ、クストリッツァ感な!つってテンションあがり、その後もクストリッツァが主演かよ!なったり、相変わらず騒々しいブラスバンドとか、ロバとか、ヘビとか、ハヤブサとか、「アンダーグラウンド」のマルコ登場とか!盛り上がりそうにはなるんですがね、もう一歩足りない感…

でもって、英国大将に任務を授かったポンコツ特殊部隊との追っかけっこが始まるとワクワク感すらなくなって…え、まだ40分もあんの?なる始末
まぁ特殊部隊に追い詰められた主人公とヒロインが羊の群れに隠れ地雷原突入なクライマックスはテンション上がりましたがね!ドッカンドッカン花火上がるやん!ゲラゲラ、言うてな
あ、動物大好きイメージで売ってるマシンボーイですが羊はパンチパーマのおっさんにしか見えないんでセーフです

個人的にはよ、いくらモニカ・べルッチとはいえ年増のヒロインよりも、主人公の事を好きなジャジャ馬女が引っ掻き回すんが見ていて楽しかったんで、最初の計画通りに2組の結婚式が騒々しく行われてる中にポンコツ特殊部隊が急襲、マルコとジャジャ馬大暴れ!大時計も大暴れ!みたいな展開の方が観たかったかなぁ

どころからどうみてもクストリッツァ映画でしかない個性の迸りっぷりは流石でしたが、監督の年齢もあるのか?少し落ち着いてしまった感が寂しい作品でした
「アンダーグラウンド」観るわ