slow

オン・ザ・ミルキー・ロードのslowのレビュー・感想・評価

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監督のファンはもちろん、作品を幾つか鑑賞した人であれば、ロバに跨り肩に隼を乗せミルクを運ぶ男が画面に現れた時点でホッとしたのではないか。ああ、始まったと。銃弾砲弾が目と鼻の先を飛び交う超危険地帯で、我も我もと登場する動物達とおよそ場違いな色恋沙汰が繰り広げられる、安定のクストリッツァワールド。

熊と涼しい顔して絡むツワモノなんてクストリッツァか畑正憲くらいでしょう。恥ずかしながら、役者としてのクストリッツァを見たのは今作が初。流石の存在感でした。そして、モニカ・ベルッチね。相変わらず綺麗な女優なのだけど、ヒロインにするならミレナの方が、らしかったような気も。
男が行き着いたのはどの世の果てか。いつの時代も争いは絶えず、望まぬ血が流れて赤い。男は命の水でそれを洗い、軌跡を塗り潰すことが報いることだと信じたかったのか。
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