DZ015

オン・ザ・ミルキー・ロードのDZ015のレビュー・感想・評価

4.2
クストリッツァ監督が「イタリアの宝石」ことモニカ・ベルッチとイチャイチャしたいが為に撮った職権乱用作品(個人の感想です)。

戦時下の架空の国で出会う男女の逃避行。のどかでありつつ強烈なブラックユーモアと社会風刺に満ちた、どこを切ってもクストリッツァな作風は安定のクオリティ。今回も動物たちが大活躍だが、動物好きにはなかなか厳しいシーンもあり(ロバに涙、羊に悲鳴)。

終始「戦争」がすぐそこにありながら日々を明るく楽しく暮らす村人の姿にボスニア紛争で凄惨な体験をしたクストリッツァ監督の信条が透けて見える。そして突如差し込まれるファンタジックな演出に夢と現を彷徨うような感覚。

クストリッツァ監督のご子息が手がける音楽が本当に素晴らしく感服。劇中曲とBGMが繋がる手法がたまらない。宗教色が色濃いラストも圧巻の映像と共にとても印象深く。
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