オン・ザ・ミルキー・ロードの作品情報・感想・評価 - 3ページ目

「オン・ザ・ミルキー・ロード」に投稿された感想・評価

開明獣

開明獣の感想・評価

4.8
冒頭からエミール・クストリッツァが紡ぎ出す不思議な世界に没頭してしまう。ボスニア近辺の民族紛争は複雑で根が深く、理解するのも我々日本人には困難だ。近年では、カナダ人の作家、スティーブン・ギャロウェイの著書、「サラエボのチェリスト」で取り上げられ、米国人作家、「ガープの世界」、「ホテル・ニューハンプシャー」で著名なジョン・アーヴィングは、その初期の作品「158ポンドの結婚」の中で、一部その民族紛争の凄惨な有様を扱っている。アーヴィングや、その師匠のカート・ヴォネガットも、奇想と笑いの中に悲劇を織り込む達人だった。この作品にもそれに近いものを感じてしまう。喜劇と悲劇はまさに隣り合わせで、我々の綾なす人生を形作っているのだと。笑いと哀しみに関して、ヴォネガットはこう言っている。

「人間はどうしようもなく哀しい時は、実は笑いしか出てこないものなんだよ」

まさしく至言であろう。

同胞が贄となった血を自ら浴びて跳ね狂う家鴨、ミルクに舌なめずりする毒蛇、音楽に合わせて巧みに踊るハヤブサ、鏡に映る己の姿に驚き卵を産む雌鶏、動物たちの奇妙奇天烈な振る舞いに囲まれて、主人公コスタは雨霰と降る弾丸をかいくぐって驢馬を疾駆させミルクを運ぶ。やがて戦争は停戦となり、シンコペートの効いたロマのフォークロアにのって、人々は狂喜し踊り明かす。だが、平和は束の間のものだった。理不尽な多国籍軍の攻撃が始まり、村人は酷くも虐殺されていく。辛くも難を逃れたコスタは、同じく難を逃れたモニカ・ベルッチとあてどもない逃避行に旅立つのであった。

クストリッツァ節全開のこの作品は、誤解されやすいが、いわゆる奇想を誇るようなポストモダン的なメタフィクションではない。悼ましい戦争が残す傷跡への深く、激しく、だが静かな怒りに鎮魂の歌を聴いた。戦争という絶対悪への諦めと憎しみなのか、それとも絶対悪をやめない人間への憤りと哀しみなのか。

最後のシーンが我々に問うものは何か。遠くから祈りの声が聞こえてくるようだった。
NEJI

NEJIの感想・評価

3.7
前半のシュールな感じが良かった。終盤は二重の意味でぶっ飛びすぎた。お伽話のような世界観。
パッケージだけ観てウェスアンダーソンみたいなイメージで借りたら完全にパワー系でびっくりしたけどこれはこれで新しい出会い。スペイン!情熱!GO!みたいなかんじ
しか

しかの感想・評価

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ファンタジーの神様に選ばれたたったひとりのディズニープリンセスとディズニープリンセスでないので助からない人々

生まれた瞬間じゃぶじゃぶ川水ですすがれてチューされて肩車される子羊よ、しあわせに暮らしてますか
戦時中のとある村で、前線の兵士たちにミルクを運ぶ男と村に嫁いできた美女との逃避行を描いたコメディドラマ。

狂喜乱舞の不思議世界。

エミール・クストリッツァが監督・脚本・主演を務めた3つの実話とたくさんの寓話からなる物語。

たくさんのアニマル。
機械時計。
歌と踊りの大宴会。
宙を舞う羊。
滝つぼフォーリンラブ。

ストーリーよりも絵的に印象に残るシーンが多い作品でした。
主人公がロバにまたがり、日傘をさして銃弾をかわしながらミルクを運ぶ姿だけでもなかなかぶっ飛んでるけど、不思議と違和感がなく、ファンタジーやミュージカル映画を観ているような感覚に近かった。
ドリフのコントみたいに家が崩壊したのは流石にシュールだったけど。

“お前が死んだら 誰が彼女を思い出すんだ
愛の記憶を絶やすな”

戦争という愚かで紛れも無い史実と反するかのように、夢みたいなおとぎ話でした。
myルールで予備知識なしで鑑賞するため色々びっくり(・Д・)ある意味とんでもねー独創的な怪作📽✨比較する作風が見当たらないれす。飛び散る肉片🐏堂々とチープなCG🌈✨この監督の作品は初鑑賞&セルビア映画も初鑑賞カモ🦆✨で『ヘビ🐍が苦手』な方はおそらく無理ww(多くのシーンで登場しまつ)

話題の作品でしたし、さらに監督自身が主人公を演じている&高評価なので観ましたがアタシにはシュール(の方向が自分に向かな)過ぎて無理ぽ💦セルビアの内戦を描いてるのかすら?序盤から何か宗教的なメタファがあるのかも?と思いきや…意味ないんかーい!!!!笑

監督のファンの皆タマ、ディスってないの💔ごめんなたい
sugi

sugiの感想・評価

4.3
歌いながらジャンピング回転肩車
滝の高速回転キスシーン
ハヤブサの羽ばたきで強風

残酷なシーンにはさまるドリフ

なんだこれは、変な夢見た後のきもち
ぽち

ぽちの感想・評価

3.4
以前観た「ライフ・イズ・ミラクル」と同じ不思議な雰囲気を持った作品でエミール監督の味なのだろう。

これが好きな人には今作もアタリの作品と言うことだが、少し冗長だった気がする。特に後半の見せ場である逃避行が盛り上がりそうで不発と言う感じが続きストレスになる。

落とし所も観客に投げすぎでもう少し主人公の内面を描いて欲しかった。沢山石を並べて凄いね・・・としか思えないのがもったいない。

モニカは歳をとっても綺麗だが、ライバル役のスロボダ・ミチャロヴィッチのほうが個人的にはストライク。
365本チャレンジは順調に進行中なものの、レビューが追いつかなくて焦る!スキマ時間でレビュー執筆しなきゃ!

これは…
何だかとんでもない映画だ!!

脚本、監督、主演のエミール・クストリッツァ。
存じ上げてなかったけど、この人凄い人だな。

3つの実話から着想を得た寓話。

隣国と戦争中のとある国で、搾りたてのミルクを戦地に送り届ける男コスタ(エミール・クストリッツァ)。ミルク売りの娘ミレナ(スロボダ・ミチャロヴィッチ)から半ば強引に結婚を迫られていたコスタだが、彼が恋に落ちたのはミレナの兄の花嫁(モニカ・ベルッチ)だった。やがて戦火はミレナの街にも及び、コスタと花嫁の逃避行が始まる。

寓話とある通り、とても不思議な肌触り。

人間達が銃撃戦を繰り広げるのを横目に
ハヤブサは悠々と空を飛び、
アヒル達は豚の血の中に身を投げ、
ヘビがミルクを飲んでいる。

物語の展開は凡庸な自分の予想の範疇など遥かに超え、映し出されるショットがどれも美しい。

特に終盤の羊のシーンが圧巻!!

もう、アレを目にした時の衝撃たるや!
「と、と、とんでもないものを今観ている!」と込み上げてくる熱量がハンパない。

戦争のリアリティと
動物達のファンタジーと
シュールな世界観の中で
全てが綯い交ぜになった上で
この映画が記すのは壮大な愛の物語。

凄まじい映像体験。
エミール・クストリッツァ、そりゃカンヌのパルムドールを二度受賞しているだけはある。

3つの実話って、どのパートがどう実話なんだろう。
それをこんな壮大な物語に纏め上げたエミール・クストリッツァの脚本力の強さよ。

ラストに少しネタバレを。



















「君が死んだら誰が彼女を思い出すんだ」

この台詞に痺れた!!

そして敷き詰められた石。
毎日毎日運んで1つ1つ敷き詰めて、彼女を思うコスタに涙。
papapaisen

papapaisenの感想・評価

3.0

このレビューはネタバレを含みます

こういう作品わからんねんよなぁ。
戦争の中をミルク売るっていうアンバランスさとか対比とかあんましわからん