オン・ザ・ミルキー・ロードの作品情報・感想・評価 - 5ページ目

オン・ザ・ミルキー・ロード2016年製作の映画)

On the Milky Road

上映日:2017年09月15日

製作国:

上映時間:125分

3.8

あらすじ

物語の舞台は、戦時中のとある国。主人公コスタ(エミール・クストリッツァ)は、毎日ロバに乗って銃弾をかわしながら前線の兵士たちにミルクを届けている。コスタは村の人々に慕われ、戦争が終わったら穏やかな将来が待っているように思われたが、ある日、村で一番の英雄・ザガ(プレドラグ・“ミキ”・マノイロヴィッチ)の花嫁になるために現れた謎の美女(モニカ・ベルッチ)と出会い、激しい恋におちる。その女性のある過去…

物語の舞台は、戦時中のとある国。主人公コスタ(エミール・クストリッツァ)は、毎日ロバに乗って銃弾をかわしながら前線の兵士たちにミルクを届けている。コスタは村の人々に慕われ、戦争が終わったら穏やかな将来が待っているように思われたが、ある日、村で一番の英雄・ザガ(プレドラグ・“ミキ”・マノイロヴィッチ)の花嫁になるために現れた謎の美女(モニカ・ベルッチ)と出会い、激しい恋におちる。その女性のある過去によって、村は襲われてしまい、2人の逃避行がはじまります。

「オン・ザ・ミルキー・ロード」に投稿された感想・評価

尾身

尾身の感想・評価

3.7
不思議な映画。
最初から最後まで全部夢みたい。

シリアスなのかコミカルなのか最後までずっと入り交じってて不思議な気分。
でもそれがこの話の世界に合ってる。
いまいちかな、とか思ってたけど、書きはじめたら色々感想出てきた…

※蛇足を最初に。主人公が熟男熟女なのはまあツッコミどころなのかも。牛乳屋の娘がネジ飛び気味だけどセクシーで素敵。以下真面目に…

クストリッツァの、故郷、結婚、戦争、動物、音楽…といったお馴染みのモチーフが健在。『黒猫・白猫』のときのような衝撃はなかったものの楽しめる映画だった。あの喧騒、粗雑、熱狂と隣合わせの日常は日本の文化にないものだから、そのエキゾチシズムはぞくぞくする。肥えたシワくちゃの婆さんが銃ぶっ放すのは笑ってしまう。(日本的な見方・感じ方・振舞い方もまた、異文化圏の人にこれに似た驚きや憧憬の感情を抱かせているのかなとか、自分にそういったものを描くことができるかな…などとしばしば思う。)

空撮は流行りのドローンだろうか、景観に圧倒される場面も多かった。
そして動物たちの演技がすごかった。鳥賢すぎ、爆音の中で踊り狂う人たちの中でもあまりに大人しくしてるから、作り物かと思った。ロバもめちゃめちゃ賢い。蛇のサイズ感はなかなかツッコミ所だったが。

あえてチープな特殊効果や合成は冒頭の「ファンタジー」という表現に即してありなのではないかと思った。悲劇の物語を喜劇、ファンタジーとして語るならゴッリゴリのCG合成はいらないのかもしれない。でも地雷のシーンとかどうやって撮ったんだろう…

劇中ではコミカルに描かれている、「戦争が日常にある人たち」の冷静さも、冷静でいられるという狂気も、想像でしか理解できないけど怖さを感じる。ガサツだけど生き生きした故郷の人たちの美しい日常や結婚という晴れ舞台、それらを一瞬でぶち壊す暴力と炎。それでもボロボロになりながらの逃避を絶望一辺倒で描かないところが素敵だった。

終盤やや冗長の感はあった。もう少しまとめてもよかったのかもと思ったが、トレーラーにもあった洞窟からインコが舞い、ロバが駆けて行くカットは本当に美しかったし、最後のカットもそこに持っていきたい意思を感じた。羊飼いの男が言った「お前が死んだら、誰があの娘を思い出してやるんだ!」という言葉は、もう誰にも思い出されることはない暴力の犠牲になった無数の人たちを思った言葉だったのだろうか。主人公が残りの人生で自らに課した行動は希望や救いなのか、贖罪なのか。

…スコア上方修正
うーう

うーうの感想・評価

3.7
世界観が独特だし意味とかよくわからないけど脳裏に焼き付く映画だった
あと音楽が良かった
mro334

mro334の感想・評価

-
怪我した主人公が花嫁に自分を置いていくように諭すシーンで、花嫁の何を失っても残るものは誰かを愛することだという言葉が印象的
なんじゃこれー。前半だけ観て『黒猫・白猫』とおんなじ感じかなと思っていたら全然違った。悪人善人老若男女動物問わず結局最後は同じっていうフラットさはすごいわ!俯瞰ショットが多いのがそれを象徴してるともいえるのか。

「良い子は観ないでね」って注意書きが必要。
アルコールでべろべろになりながら銃を乱射して「世界が終わっても結婚式を挙げるの」と叫ぶ女性が一番輝いてた
ア

アの感想・評価

4.0
ファンタジー、戦争、動物、恋愛、人生詰め込みすぎなのに無駄なくありがとうございます状態 クストリッツァてポールに似てるよね
百合

百合の感想・評価

-
冗長
クストリッツァ、はじめて見た。サライエヴォ出身の「ユーゴスラヴィア人」ということで、戦争が主題、というか戦争の中でもどうしようもなく続いていく生活、みたいなものがテーマなのかな。いやまあそりゃあCGはヒドかったけどそれは本人なりの諧謔なのか?と思っていたけど真剣に怒ってる人もいて判断し難いな。
前半は銃後の生活といった感じで本当に魅力的に生き生きと人々が描かれている。なにせ色彩が綺麗。二人の女性と主人公の三角関係が描かれるのだが、それが大して物語の駆動力にしようとされてないところがいい。イタリア人の嫁さんは綺麗だけどオレに好意を持ってくれてるあの子もいるし…といった具合で人によっちゃあ優柔不断でイライラする!と言われそうなおよそ展開のない時間が続くのだが、こういう‘劇的でなさ’こそ生活だと思う。それにやっぱり描き方が巧みなので楽しんで見られた。イタリア人女性とはミルクを介して繋がり、もう一人の女性とは血を通して繋がっている(輸血)。完璧に均整のとれた三角関係は、主人公を通した女性二人のレズビアン的繋がりのようにも見える(「彼女はわたしのものよ」)。
しかし村の襲撃によって彼らの蜜月はあっけなく終了する。生き残ったのは襲撃の原因であるイタリア人女性の方であり、主人公は彼女を助けて逃亡生活を始める。正直このパートは見ていて辛かった…中だるみが酷い。不要と思われるシーンが多い。落下と上昇というモチーフや水などここでも考察の余地はふんだんにあるのだがもう全然そんなことにはついていけずただ退屈してしまった。教養の不足。
地雷の爆発によって女性は死んでしまい、15年後の主人公が3つ目のパートである。イスラム教に帰依したらしい彼は石をひたすらに運び、女性を失った場所に敷き詰めるという作業をしている。広大な岩場を超俯瞰でとらえて終了。もうなんかとにかくあんな映像を見せられたらなんとなく心はジーンとするしかないなという感じだった…迫力の暴力。15年間、喪った愛おしい女性を思って墓を作り続けていたのだ。
動物は当たり前だが予期せぬ動きをするので、好んで撮る監督は多い。クストリッツァも動物を大量に撮っているが、主人公の相棒たちを残してその他の動物には人称性が与えられていない。まさに‘主人公とその他大勢’という感じで、その他大勢がバンバン殺されていくあたりたしかに寓意的な…動物が理不尽に大量に殺されていく描写に怒ってる人がわりと多いようだけど、これが現実でしょう?と言わんばかり。
そのなかで蛇がやっぱり気になったのだが、蛇といえばキリスト教ではイブを唆した悪魔的な存在で、イスラム教では地獄を腹に内包してるファラクという生き物らしい。とりあえずいいようにはとらえられていないようだが…それが牛乳に浸かるシーンを主人公は「奇跡だ」と言う。わからん。宗教についての知識と感性がないとわからんのだろうなあ。こういうモチーフに満ちた作品を見るのは楽しいが無力感がすごい。
u

uの感想・評価

3.7

初クストリッツァ作品に、新作のオンザミルキーロードをチョイスしてしまったのは、ちょっと失敗だったかも。。

真面目に観ていいのか微妙なとこで、
個人的には、笑えるって意味で面白いシーンがたくさんあったのが救い。(泣いてるお客さんチラホラいてビックリしました…笑)

色々な動物がでてくるから癒されるし、と思いきや、結構えげつない描写もあって
ぶっ飛んでる監督なのかな??お酒飲みながら観たら楽しめるかも。

この作品だけではクストリッツァの良さがまだわからないので、代表作を観てから判断しますっ!

最後に、、映画館じゃなきゃ寝てたかもしれないです(笑)
せんだ

せんだの感想・評価

3.8

このレビューはネタバレを含みます

ハヤブサと蛇を味方にして信頼関係があったりそういうとこは面白いし、なんとなーくだけど、映画エルトポなりまぼろしの市街戦だったり絵画オフィーリアを感じたりオマージュなのかなぁと感じながらニコニコ観た。

ただ理由づけにすぎないようなラストの展開に疑問が浮かぶ。
牛乳運びが垂らすミルキーロードと思いきや石で出来た道をミルキーロードと見立てたり、エンドロールの文字組みの白い道はたしかに素晴らしいのだけれど、でもつまるところ全て理由づけに必要だったから用意した感じが否めなかった。
地雷で死ぬ人がいないように石を敷き詰める←彼女の死は地雷によるものだった←地雷に突っ込まなければいけない状況だった。みたいな。後から後からつけて行くかんじが少なくともしてしまったのが残念。
たしかに羊の習性を利用した作りなんだろうけども。うーん。
羊の誕生と羊の死もなんらかあるんだろうな…。
後半を魅せたいのであれば前半のくだりはなんだったんだろうと思ったりもしたし、全てを失っても足る女なのだろうか?とも思う。

ハヤブサが死ななくて本当に良かった。
これに尽きる。

展開の流れは無理あるなとは思うけど、締め方だったりメッセージ性とタイトルの結びつきは個人的に好きな感じなのでこの評価。カルト映画よく動物が死ぬ。

いや、でも、魚の網に突っ込んで行くのあまりにもアホすぎないか


監督の作品が好きなツレと行ったけど、セルフオマージュもあったようで。そういう作りはすきだよね。