オン・ザ・ミルキー・ロードの作品情報・感想・評価 - 51ページ目

オン・ザ・ミルキー・ロード2016年製作の映画)

On the Milky Road

上映日:2017年09月15日

製作国:

上映時間:125分

3.8

あらすじ

物語の舞台は、戦時中のとある国。主人公コスタ(エミール・クストリッツァ)は、毎日ロバに乗って銃弾をかわしながら前線の兵士たちにミルクを届けている。コスタは村の人々に慕われ、戦争が終わったら穏やかな将来が待っているように思われたが、ある日、村で一番の英雄・ザガ(プレドラグ・“ミキ”・マノイロヴィッチ)の花嫁になるために現れた謎の美女(モニカ・ベルッチ)と出会い、激しい恋におちる。その女性のある過去…

物語の舞台は、戦時中のとある国。主人公コスタ(エミール・クストリッツァ)は、毎日ロバに乗って銃弾をかわしながら前線の兵士たちにミルクを届けている。コスタは村の人々に慕われ、戦争が終わったら穏やかな将来が待っているように思われたが、ある日、村で一番の英雄・ザガ(プレドラグ・“ミキ”・マノイロヴィッチ)の花嫁になるために現れた謎の美女(モニカ・ベルッチ)と出会い、激しい恋におちる。その女性のある過去によって、村は襲われてしまい、2人の逃避行がはじまります。

「オン・ザ・ミルキー・ロード」に投稿された感想・評価

エミールクストリッツァ監督の舞台挨拶付き試写会にて。

なかなか難解だった。一つ一つのシーンに深い意味があるように感じた。何度も見るたびに解釈が変わる作品である。

監督は舞台挨拶で、「近年は人間は動物が殺されるシーンをみると感傷的になる。」とおっしゃっていたが、つまり動物がここまででてくるのは“人間と同義”という位置づけだから。ニューヨークのような喧騒と、山奥のような自然を見事にミックスしているのだ。
とはいえ、序盤は盛り上がりに欠けてしまうのは事実。とにかく深くのめりこみたい人向けだと思う。戦争という悲惨な状況の中での休戦という対比が上手かったりはするのだが、いまいち盛り上がりに欠ける。

主人公の恋心が見えるシーンは、本当に簡潔かつ分かりやすく。とても見やすかった。

さてさて、これから“愛の逃避行”が始まる。ここはまさに笑いあり、ハラハラあり、興奮あり、涙ありというシーンとなる。ヒロインの女性はある理由で将軍に追われてるわけだが、その追っ手3人組がとにかく笑える。とにかくくだらないし、その演出もうまいので笑いがこぼれてしまう。
もちろんそのように笑えはするのだが、基本はシリアスに作っているため、逃走劇としても楽しめるのだ。

実はエミールクストリッツァ監督作品は本作がはじめてであるので慣れていなかったのはあるが、ラスト10分が難解でかなり苦戦した。
しかし、全体的にポップな雰囲気もあるし、音楽もノリがいいのでそれだけでも十分楽しめる。
地球へ

地球への感想・評価

4.0
愛する2人の逃避行を描いた摩訶不思議な映画

戦争の絶えない国(東欧のどこか?)でミルク運びを行う男性と、花嫁になる予定だった女性(もちろん他の人の)が出逢って恋に落ちる。
しかし女性は訳ありで、多国籍軍の将軍に命を狙われている。
将軍の命令を受けた兵士に追われ、2人は逃げ出す(愛の逃避行)。

しかし、逃げても逃げても2人は追われている。
この逃げ方がスゴイ、木の上から飛んだり(羽ばたく?)、スカイダイビングのように滝に飛び込んだりと、全く現実離れしている映像が続く。

子供の時に見た夢『悪夢』のごとくどこまでもどこまでも追われる。
そして夢から醒めたと思ったらまだ夢の中でした。

奇想天外な逃避行が続きます、最後はもう無茶苦茶な映像でした。
摩訶不思議な映像を観ました。

また動物がリアルに演技をしているようで(CGではなく)、どのように演技指導したのか?
とにかくスゴイ映画でした。
また、花嫁(モニカ・ベルッチ)が美人だった・・・

最後は少し心を打たれました、そしてようやく夢から醒めました。

戦争の悲惨を伝えることが監督のメッセージだったと思います。
悲劇を喜劇で描いた摩訶不思議な映画でした。
独特の世界観に酔い(ハマリ)ました・・・

試写会にて鑑賞(字幕)。
黒猫チェルシーの「渡辺大知トークショー」付きで、2倍楽しめました!
自然や生き物(ヒト含め)と人工物を感じさせられる作品。自然や動物を味方につけて生きたいと思った(笑)前半は「んーー」というテンポだったが、中盤から見入った。程よく映画のマジックが入っている。最後は心掴まれた。すごく面白いとかではないかもしれないけど、また観たい。

このレビューはネタバレを含みます

エネルギーのカオス

オープニング
豚を屠殺し、その血をバスタブへ注ぎ、その血の池にアヒルがダイブし、血を纏ったアヒルに蠅が集る。そのすぐ横で激しい紛争が行われている。銃弾が飛び交う場所で、そのこととは無関係に料理を続ける人たち。そんな死が隣り合わせの地で、とりわけ紛争にも死にも無関心でミルクを運ぶエミール。彼は自分の死にも紛争にも全く意識が向かないという意味では人間よりも動物に近い存在。彼の周りには彼を愛する美女がいるが、常に傍にいるのは動物たち。人間たちよりも動物たちとともに生きているような男。

ただ刺激的な画を撮りたいだけなら、アヒルが血の池にダイブする所で終わる。しかしクストリッツァ監督はダイブした後に、血まみれになったアヒルに群がる蠅までも撮る。そこに監督の映画に対する誠実さを感じられる。このシーンだけで初見の監督だが期待を持つことができた。

彼にファム・ファタールが現れ、死の逃避行が始まる。誰が何のためにしているのか、いつ終わり、そしていつ再び始まるのかも分からない紛争のメタファーのような三人の男が死ぬまで追いかけてくる。
そして、誰よりも死を意識しない、命に執着のなかったエミールだけが生き残る皮肉。

生き残ってしまった男は15年間ただ石を積み続けた。地雷で覆われた地を死の浸み込んだ白石で埋め尽くした。エミールがモニカのいない世界の平和を願ったとは思えない。相方のロバまで喪ったからミルクを運ぶこともできず、ただそこにあった石を運んだに過ぎない。その途方もない行為にエミールの失った愛の大きさ、悲しみの深さ、モニカへの想いの強さを感じる。

余りにも愚かな紛争への怒りが根底にある。その紛争をしているのは動物ではなく、人間。
人間の愚かさにどんなに嫌気が差しても生きている以上諦めるわけにはいかない。
クストリッツァ監督は映画をつくることで闘い続けている。
観た者は思考停止せず、ともに闘うことを要求される。

この映画では動物たちが準主役。紛争地で人間と同じように生きている存在。数多の戦争映画で無数の人間が死んでいく。その光景が当たり前のものになり過ぎた人たちは人間の死ぬ姿よりも動物たちが殺される姿に胸を痛める。動物たちが血を流し悲鳴を上げる光景に目を背けたくなってしまう。これは自分の目と心が麻痺をしている証拠。だからクストリッツァ監督は作為的に本来人間がする役割を動物にさせることで、気付かせようとしている。
戦争で人間が死んでいくのは当たり前のことで日常的なことだという情報を余りに多く無意識的に受け続けてしまったことで、戦争による死を当然のこととして受け入れてしまう一種の洗脳された状態にある。このことに危機感すら抱かなくなることが最も恐ろしい。

クストリッツァ監督作品は今作が初見であったので、過去作との関連や共通するモチーフを知らないので、なんとなく他の監督作を連想した。
ロバに乗り傘を差す男。血の池。無数の羊を爆破などのシーンは『エル・トポ』を連想
エミールのキャラクターや哀しみは『シュトロツェクの不思議な旅』を連想した。

やはり心に残る映画にはエネルギーのカオスがある。

このレビューはネタバレを含みます

試写会にて。
戦火の中のミルク運び主人公(監督自身)と突如村に舞い降りた花嫁の逃避行の話。

大自然と動物達の描写は壮大!

ユーゴ出身の監督なので諸々意味があることなんだろうけど、表現豊か過ぎて月曜の頭じゃなくてもついてけませんでした。

no smoking orchestraの演奏聴いてみたい。

お勧めされたアリゾナ・ドリーム、アンダーグラウンド、黒猫・白猫も機会があったら観てみよう。
mie

mieの感想・評価

1.5
オンザミルキーロード久しぶりに苦手な映画だった🙃🙃🙃
急に昭和の特撮みたいなシーンあったり戦争映画なのかラブロマンスなのかわけわかんなかった😑‬
上映後のゲストトークではとても熱く映画について語られていたので単に私には好みではなかったのだろうと思った。
試写会にて鑑賞
テンションに面白さがついていなかった印象…
ただトークイベントでも話が上がった通り2面性を両方淡々と描くあたりは好き

このレビューはネタバレを含みます

前半のエンターテイメントな感じは良かったけど、後半は全然楽しい感じじゃないし、かといって『エル・トポ』みたいに自己満足の芸術を突き詰めてるわけでもないし、なんか中途半端な感じがした。シンプルになった結果両者のバランスが取れなくなったのでしょうか...。『アンダーグラウンド』の主役のおじさんが出てくるところはありえん胸熱だった。
とえ

とえの感想・評価

4.0
内戦中の小さな村で出会った男女の、二人の愛を貫く逃避行を描く

旧ユーゴスラビア出身のクストリッツァ監督から見た、内戦への思いが込められた作品

2つの民族の和平協定を結婚と考えると、幸せになるはずだった結婚を、武力でぶち壊したのは多国籍軍であり
その破壊行為は、村人たちが口もきけなくなり、村が機能しなくなるまで続けられる

監督はその状況を動物などを使ってユーモラスに描いているけど
その真意はとても重く、
いまだに残された人々の悲しみは癒えることがない

これは、実際に東欧の中にいた人よる描写だというところがとても貴重な作品だと思う

西側諸国の「正義」はただの押し付けであり、東欧で実際に救われているはずの人からしたら、「残酷なこと」でしかなかったことに気付かされた作品だった
こめ

こめの感想・評価

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ボリューミー
音楽グッド
no smoking orchestraのエミールさんタバコ吸ってた