オン・ザ・ミルキー・ロードの作品情報・感想・評価 - 61ページ目

「オン・ザ・ミルキー・ロード」に投稿された感想・評価

クストリッツァ9年ぶりの新作。
戦時中のある村でミルク運びをするコスタと、絶世の美女が恋に落ちる、、
ほぼ全編に流れる音楽はどれも踊りだしたくなるくらいに良い!使われ方も面白い。
アヒルや羊、ロバなどどうやって!と思うほど生命力にあふれた動物の使い方もすごい。
モニカベルッチ、52歳とは思えないほど美しい、、、
ストーリーはうーんという感じだけれど、助けた蛇に助けられる、それも実話。などといった合間合間のエピソードは面白かった。
予備知識なしに観たけど強烈だったなー。分かりやすさはないし、ジャンル分けもできない。フリーダムに作ったスケールの大きな作品。
 
ざっくりしたストーリーとしては、国連を巻き込んだ内戦下にある国(ユーゴスラビア色が濃い)のゲリラ側地域で生活を営む男女が主人公。ただ、そこに生きる人々やさらには家畜・動物、あるいはその地域自身をも含めたものが映画の主体のような気もする。
 
戦地であっても人は生きて恋をして、結婚をして、食べて、飲んで、歌って、踊る。そう言うのが、戦争で分断されるんではなくて、延長線上にあるような。ファンタスティックなもの、夢も含めて、すべてが同一平面で描かれる感じ。
 
あとこの作品、動物が凄い。生物(イキモノ)で(ナマモノ)。切り裂かれる家畜の豚。豚の血に塗れる家鴨。牛乳を飲ませて貰ったお礼に人間を助ける蛇。他にもハヤブサ、ロバ、ネコ、熊、蝶にハチ。ただ映像に映されるだけではなくて、すべてが映画の中に組み込まれて人間と関わって行くところがすごい。そして、羊。あんな使われ方するなんてね。で、人間も動物も同じように死んで行く。とってもfair。
 
映画の舞台からして一応宗教の描写は東方教会っぽいんだけど、映画全体の雰囲気はどちらかというと、汎神論というか世界の一隅に神宿る雰囲気がある。喜びもあれば苦しみもある。笑いもあれば涙もある。観た人に何かを答えたりするような映画ではなくて、感じたりある時思い出したり、そんな風な感想を持ったな。
こうん

こうんの感想・評価

4.3
僕は熱心なクストリッツァ映画ファンというわけではないけれど、この9年ぶりとかいう新作、冒頭から度肝を抜かれましたね。今んとこ今年のベストオープニングですね。
なんたる生命の狡猾さと滑稽さと勇猛さよ。
(その生命には人間も含まれます)

あとは相変わらずの祝祭感とカオスをドライヴさせていく語り口は安定のクストリッツァ節。暴力禍からの愛の逃避行…という感じで一本調子ではあるけれど、飽きることなく祈りに満ちたラストまで連れていってくれるクストリッツァ映画世界を堪能しました。
あんまりクストリッツァの出自やバルカン半島のアレコレには明るくないけど、本作に関しては寓話性が強くて、とてもわかりやすく映画になっていると思う。
寓話的でありながらめちゃくちゃ凶悪であるところもカオスです。
焼死体がなんだか笑える感じってどういうことだよ!

蛇足でシネフィル的なことを書くと、多分クストリッツァはジャック・タチが好きなんだろうなぁと頬が緩みました。特に前半のスラップスティックな調子や効果音の使い方や画面に映るすべてをコントロールしたい欲とか、タチの映画群を彷彿とさせるところでした。
あとルノワールとかオリヴェイラとか、ヨーロッパの作家性の強い映画監督と共通するセンスを見いだすことができて、なんか不思議だなぁと嬉しくなりました。

とかなんとか書きながら思い出すのは、イタリアの至宝モニカ・ベルッチさまの溢れんばかりの気品と色気と純真さなのでした。牛乳になりたかった…。
五十路の肉感的なセクシーにくらくらクストリッツァ。
さとう

さとうの感想・評価

3.3
動物達がまさにおとぎ話にでてくるようなイキイキとした動きをしていてなんとも魅力的。そして例の如く日常の中の一部である内戦をユーモアを交えて描かれており、逆にそれほど当たり前に起きていたんだろうと思うとつらくなった。
miwan

miwanの感想・評価

3.9
猥雑な祭り感に自分の野生や本能が目覚める。
冠婚葬祭とは、こういう魂と音楽にまみれたカオスな儀式であるという事を、太古から脈々と繋がるDNAが思い出させてくれる。

そして、空をも飛ぶようなファンタジーと目を覆わずにはいられない凄惨さが同時に描かれるお話に、美しさと醜さに溢れるワタシたちの現実世界が重なる。

見返りを求めない施しを与え続けることが生きるということなのかもしれない、、なんて宗教じみたこともふっと思ったりした。
yoheikono

yoheikonoの感想・評価

4.2
作品冒頭に出てくるこの作品の成り立ちが示しているように、緩やかに繋がったいくつかの物語が展開しているように見えるため非常にごちゃっとした手触りとなってきる。
音楽に合わせて飲み歌い踊る場面はすべて最高。後半のヤギのシーンも最高。
suzu

suzuの感想・評価

4.3
前半めちゃめちゃ笑った
後半、羊だった。
初めてクストリッツァ自身に、辛かったんだ!と言われた気がした(本人が主演やってるし
クストリッツァの今までの映画で好きなシーンぽいのもちらほらあって楽しかった
みね

みねの感想・評価

2.5
ある程度わかりやすい映画が好きな自分には正直最後まで観るのがつらかった。

壮大な景色が観れたと思って映画館をあとにした。

映画に詳しい人と行けば、前後でしっかりと解説を聞けて良いと思います。

このレビューはネタバレを含みます

冒頭からのガチョウの跳躍は『アンダーグラウンド』だ!だったけど、豚の血にまみれてハエがたかる。この死臭はクストリッツァが嗅いでいる人間の悪臭なんだろうか。
この人はどうやったら人類が戦争をしなくなるかをず~っと考えてきたんだろな。
『ライフイズミラクル』『黒猫、白猫』とかを思い起こさせるシーンが沢山あって、クストリッツァファンは節々でニヤニヤしたのでは。私はかなりニヤニヤしてました。
『アンダーグラウンド』から20年以上経っても人類の戦争へのスタンスは変わってないのかしら。
「お前が死んだら誰が彼女を思い出すんだ」は次の世代へユーゴの紛争のことを伝えたいんだと勝手に解釈。もう一度あの戦争を振り返ることにしよう。
angryaoi

angryaoiの感想・評価

4.0
神話の中に挿入される真理な言葉が強い。アヒルが行列なしているのと同じように、「君が死んだら誰が彼女のことを想い続けるんだ」って言葉が勝つ。