公開当時、試写会で吹替版、その後に劇場で字幕版、そして新作公開に際して再鑑賞。
1970年代。
ちびっこ悪党・グルーに弟子入りしたミニオンたち。
とある失敗から破門を言い渡された彼らだったが、直後にグルーが何者かによって誘拐、その行方を追うことに!
カンフーの達人との出会いや、不思議な魔力を持つ秘宝の力でパワーアップするミニオンたち!!
果たして、彼らはグルーと再会し、悪党集団"ヴィシャス6"に打ち勝つことが出来るのか……?
『ミニオンズ』シリーズの第2作でありながら、原題のサブタイトルは『The Rise of Gru (意訳:怪盗グルーの誕生)』と、怪盗グルーのエピソード0の側面も強い一作だった。
本編開始から数分で「カーチェイス」→「トレジャーアドベンチャー」→「007シリーズのオマージュOP」→「1作目のセルフオマージュ」→「スパイ映画パロディ」と立て続けに見せ場が展開されるため、アトラクション映画としては、かなり楽しい仕上がり。
そのため、個人的には(怪盗グルーも含めた)シリーズの最高傑作だった。
相変わらず、てんこ盛りの内容なのは間違いないが、本作は3グループの珍道中として整理されているため、かなり観やすい。
グルーとその師匠・ワイルド・ナックルズ、常連ミニオン3人組(ケビン、スチュアート、ボブ)、初登場のミニオン(オットー)。
それぞれがグルーの行方や秘宝・ゾディアック・ストーンを追いかける物語として目的地が決まっているので、脇道に逸れまくってもダレることはなかった。
とはいえ、渡辺直美が吹替を担当したキャラクター(原語版はミシェル・ヨー)が物語に(物理的に)突っ込んでくるシーンには「どんなイカれたストーリーテリングだな」と心の中で突っ込んでしまい、爆笑したが……。
カンフー映画あり、唐突な『未知との遭遇』パロディあり、『天使にラブ・ソングを…』ありと、冒頭以降も映画愛オマージュは多数。
こういう点も含め、グルーたち一家の変化を描かないといけない本流シリーズよりも制約が少ないからか、いつも以上に作り手がやりたいことを詰め込んでいたようにも感じた。
動きで伝えるノンバーバルなコメディとして、サイレント映画期のバスター・キートンアクションのような、結果的に映画史の原始に立ち返る挑戦になっているので、映画好きにこそたまらない必見の一作だった!
参考
『ミニオンズ フィーバー』は『Minions: The Rise of Gru』!? 映画は英語に興味を持つきっかけに!|ベネッセ教育情報サイト
https://benesse.jp/eigo/202207/20220704-1.html
(ベネッセさんによるまさかの解説。)
『ミニオンズ』第3弾、2027年6月に全米公開決定 - THR Japan
https://hollywoodreporter.jp/movies/54405/
(個人的にはグルーシリーズは終了して、ミニオンズシリーズを作り続けてほしいところ)
なぜ?『ミニオンズ』最新作をスーツ姿で観る若者急増、米公式も反応|シネマトゥデイ
https://www.cinematoday.jp/news/N0131307
(公開時には、海外を中心に #gentleminions のムーブメントも話題になりました)