いよら

光州5・18のいよらのレビュー・感想・評価

光州5・18(2007年製作の映画)
3.7
『五月の青春』を見た時からちゃんと見ようと思っていた「光州事件」関連の映画の一つ。
おそらく当時タブーとされていた事件を最初に描いた映画でもあります。


奥手なタクシー運転手のミヌ。両親を亡くし出来のいい弟ジヌと2人で暮らしている。ミヌはジヌが通う教会で出会った看護師のシネという女性に片想い中。そんな彼女と仲良くなるキッカケとして、ジヌとの3人で映画に行くが、そこで光州事件が起きてしまい…という物語。


もう見ていて、とても辛いです。
なんで、こんなことが起きるんだろうって。
何もしていないのに、なんであんな風に殴られて、銃で撃たれて…。
デモ隊でもなんでもない一般市民たちが次々に巻き込まれていくっていうのは、憤りしかないですね。
それじゃあ、反発を生むだけとしか思えない。
力で抑え込むのが正しいのか、と。

またこの映画では『五月の青春』で描かれていたエピソードとかなりダブル部分がありました。
ヒロインが看護師であったり、医師が無力感を覚えるとか、救急車で負傷者を救いに行こうとか。きっと、そういうエピソードが実際にあったからなんでしょうね。
でも『五月の青春』よりは市民軍視点で描かれているので、暴動の様子がよりリアルだった印象です。最後はもう本当に…。それがリアルとはいえ、辛いですよね。


キャストも豪華でした。
ミヌはキムサンギョン。はじめの頼りない感じからだんだんとたくましくなっていく過程がとてもいいです。
シネはイヨウォン。大人しく繊細な雰囲気ながら、意思を持った目が印象的でした。
そしてシヌはイジュンギ。イジュンギが若い!まだ高校生役とか初々しかったです。そして……
市民軍を指揮する立場になる元大佐にアンソンギ。とてもカッコいいリーダーでした。
あと、パクチョルミン、パクウォンサンのコンビがシリアスな場面でもコミカルに演じていてとても良かったです。この2人のシーンでとても和みます。
それから、チョンインギやオムヒョソプ、ソンジェホ、ナムニssiなどがたくさん知ってる人が出てました。それを見るのも楽しめましたね。

ラストの映像は、あれが現実だったらすごくよかったのに…と思わずにはいられないです…
いよら

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