IDEAコメントはお休み中

SING/シング:ネクストステージのIDEAコメントはお休み中のレビュー・感想・評価

3.8
『封切り』という言葉が好きだ。

新作の公開時に使われるこの言葉。
江戸時代には新刊本に巻かれた白紙を切って読んだことが語源とする説やら、映画のフィルム缶の封を開けることからきたという話やら諸説あるようで。
ともかく実に風情がある言葉であり、映画文化を『文化』たらしめるような力強い響きを感じます。

"近日上映"のポスターに心踊らせ、封切り初日に新作を観に行く幸福感といったら!


今作における舞台劇、バスター・ムーンのショーに来るお客さんたちもそんな気持ちなのでしょうかね。
映画と舞台劇、表現方法は違えど観客の胸を打つ感動があることに違いはないでしょう。

前作で成功を収め、更なるステージへと挑戦を続けるムーン一座のドタバタコメディ劇。
スケールは前作より大幅にアップ、我々もその場にいるような感動に包まれます。

新作を初日に観に行く幸福感…などとうそぶきましたが、これを観たのは5月の上旬。
終映間近で小さなスクリーンに追いやられた今作を観て、やはり観たい映画は早めに劇場へ急げってことだなぁ…としみじみでありました。


ここまで読んでくださった皆さまはお気づきかと思います。
作品の内容についてほとんど触れていないことに。

スケールアップはしていましたが、新キャラをちょいと出し過ぎたことで生まれた散漫感、とりわけ前作より続投しているキャラの存在感が消されすぎた感が否めず。
あとは、どん底から這い上がった前作のハングリー感が感じられず、すでに一定の成功を手にしたがゆえの葛藤や苦悩の薄さが少々気になったために印象に欠ける作品と感じてしまいました。


印象に欠ける?
今ごろレビュー書いてるから、内容忘れただけなんじゃないの?

はい、そこの方!
痛いところをつかないようにお願いいたしますッ!