ちろる

ミスエデュケーションのちろるのレビュー・感想・評価

ミスエデュケーション(2018年製作の映画)
3.6
「ある少年の告白」はガッチリと胸糞だったけど、ここでの舞台はちょっとソフトタッチで全て曖昧。
映像とか、雰囲気は好きだったけど、その代わりふんわりしててメッセージ性は弱いかな。

キャメロンはまだ高校生で、同級生の男の子よりも女の子に心が動いてしまうがそのせいで矯正施設に入れられてしまう。
キャメロンが果たしてレズビアンなのか、それともあの同級生に恋しただけなのか、バイセクシャルなのかはおそらくまだはっきりと分からないくらいの曖昧な感じなのだけど、
そんな若い彼女がはっきりとわかること、それはLGBT=悪と決めつけるその観念が絶対に間違っているという事だったのだろう。

淡々としているけど、施設にいる少年少女たちのキャラクター設定はユニーク。
完全に施設のフィロソフィーに陶酔する女の子や、逆に施設に真っ向から対立する仲間もいる。
周りの環境や教育で簡単に信念が変化しやすい年頃だからこそ、同じくらいの年代の仲間で少しでも共鳴でき、行動する勇気がたる仲間がいる事がどれだけ救われるだろうか。

「ある少年の告白」では苦しみ抜いて命を絶ってしまった若者もいたから、実際の施設はおそらくここで描かれている以上に壮絶なのだろう。
アメリカの田舎に多く残るキリスト教原理主義施設のリアリティを知るという意味では少し物足りないけど、クロエの今までとは一味違う魅力や、ちょっとダウナーな青春物語味わいたい人にはおすすめです。
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