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サスペリアのtaigaのレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
3.5
3ヶ月以上かけて、晩酌のようにチビチビと観た。
下戸だけど、映画なら酔える。

オリジナル版とは別物、というか研究本にも書いてあったように、ルカ・グァダニーノがオリジナル版のストーリーをベースに、大枠の展開よりもなにを描くかに振り切った作品なのだと思う。最大の変更点は舞台がベルリンになったことか。

割に難解で、全体主義批判などかなり解像度粗く観てしまったし、怖かったかというと畏怖に近い感情だったのだけれど、この世ならざる光景を観た感覚にはなれます。

特にトム・ヨークの参加や突発的なサブリミナル、そしてオリジナルより丁寧に描写される(モダン)バレエという題材から、ダリオ・アルジェントに負けず劣らずの独特の美意識にこだわった作品だった。

その美の質感を舐めて味わうという点で(勿論重厚なテーマやオチもあったりはするものの)、まるでワインのような楽しみ方が嵌まりました。飲めないけど。
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