外は雨

サスペリアの外は雨のレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
4.2
面白かった!リメイクっていうか、これは本当に全然別の作品。オリジナルが絵画的な映画だとすれば、これは小説。アメリカのオハイオのメノナイト派の家庭。母の鼻息の轟音が地響きの如く怖ろしく響いている。東西にドイツが分かれていた時代。舞踏団のロビーの窓からは国を隔てていた壁が見える。視線を高くするとそこから先は東ドイツ。平地には監視塔らしきものが見える。

メノナイト派っていうんですね。キリスト教アナバプテストの教派。オランダからドイツ発祥の宗派。アーミッシュと共に渡ってきた人達。

ティルダ・スウィントンのマダム・ブランはピナ・バウシュですかね?ドイツの舞踏団で時期的にも近いとも言えるかな。踊りは全然違う。「民族」はストラヴィンスキーぽい。かな。

ブランとスージーの音にならない会話のシーンは不思議な光景だった。

舞踏のシーン、んーあの紐はどうなんでしょうねw サバトの儀式であるためかちょっと場が狭い。個人的にはうおっと思うようなポーズ以外のダンスシーンが欲しかったというのはある。あ、でも鏡の間の衝撃の死の舞踏があるから、まぁいいのか。

そして、隔てていたものが交わりにやってくる。惨劇の場面、ティルダ様の首にはちょっと笑いました。

記憶は消えても、彼が手で触れ続けてきた壁に残されたイニシャルのハートが、切ない。
外は雨

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