面白かった!リメイクっていうか、これは本当に全然別の作品。オリジナルが絵画的な映画だとすれば、これは小説。アメリカのオハイオのメノナイト派の家庭。母の鼻息の轟音が地響きの如く怖ろしく響いている。東西にドイツが分かれていた時代。舞踏団のロビーの窓からは国を隔てていた壁が見える。視線を高くするとそこから先は東ドイツ。平地には監視塔らしきものが見える。
メノナイト派っていうんですね。キリスト教アナバプテストの教派。オランダからドイツ発祥の宗派。アーミッシュと共に渡ってきた人達。
ティルダ・スウィントンのマダム・ブランはピナ・バウシュですかね?ドイツの舞踏団で時期的にも近いとも言えるかな。踊りは全然違う。「民族」はストラヴィンスキーぽい。かな。
ブランとスージーの音にならない会話のシーンは不思議な光景だった。
舞踏のシーン、んーあの紐はどうなんでしょうねw サバトの儀式であるためかちょっと場が狭い。個人的にはうおっと思うようなポーズ以外のダンスシーンが欲しかったというのはある。あ、でも鏡の間の衝撃の死の舞踏があるから、まぁいいのか。
そして、隔てていたものが交わりにやってくる。惨劇の場面、ティルダ様の首にはちょっと笑いました。
記憶は消えても、彼が手で触れ続けてきた壁に残されたイニシャルのハートが、切ない。