ヨダセアSeaYoda

サスペリアのヨダセアSeaYodaのレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
4.3
"女は黙って子供を産めと言うナチスに、(彼女は)屈しなかった"

 2019年の1年間で最も繰り返し(8回)観た作品。性癖ブッ刺さりとは正にこの事です。

【STORY】
 雨の中、有名な舞踏団で踊るべくやってきたスージー。
 舞踏団を率いるカリスマ、マダム・ブランに才能を見出された彼女だが、彼女達舞踏メンバーを次々に不可解な現象が襲い…


【一言まとめ】
●全てが美しく、好み。
●嘆きと犠牲、救世主の降臨。
●ラストは壮観。カタルシス。


【感想】
《今夜のzoom会に向け11度目の鑑賞》
※前提として、リメイク元とはほぼ別物になってしまっているため、名前とコンセプトだけが似た別作品だと思って観ています。

 まず、全てが美しいです❗️
 撮影の構図、小道具や衣装、建物の内装、画面の褪せた色合い、トム・ヨークによる唯一無二の音楽、ダンス、そして勿論女性だらけのキャスト達…本当に全てが美しく、どこを取っても画になる瞬間だらけだし、サントラも永遠に聴いていられます‼️


 ドイツ赤軍、ナチス…数の力や武力は、常に人々を苦しめてきました。
 悲しみ= "嘆き(suspiria)" は終わらない。無念の魂・怨念はずっと残り続けるのです。
 そんな中でも圧に屈しず、最後に立ち上がる者の象徴が、今作におけるある女性。

 そして全てが終わりに近づく頃、嘆きを癒し、すべてを抱きしめ受け入れる救世主ともいえる "嘆きの母" が降臨します。
 母は何者の代わりにもなれるが、何者も母の代わりにはなれない…嘆きの母は、嘆きを背負い、圧政を、巨大な力を、壊す救世主。
 そして、"悲しみ" 自身であり、魔女でもある。彼女の何層にもなるキャラクターも深い魅力を生んでいますね。

 クライマックスの壮観だけでも何度でも観たいです。カタルシスが溢れてます。


 ティルダが何役も演じているのが凄いし、そうしようと決めた監督の拘りもクール!

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観た回数:11回
直近の鑑賞:BD(20.09.29)
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