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サスペリアのblacknessfallのレビュー・感想・評価

サスペリア(2018年製作の映画)
2.2
否定派も肯定派もオリジナルとは別物であるという点に置いては一致してる印象だった。
マジでこりゃ別物だよ笑

伝え聞くとこによると監督はかなりのサスペリア好きらしい。それでありながら徹底的にオリジナルの持ち味である鮮烈な色彩感覚や残虐絵巻のためだけの不可解なストーリー展開や過度にグロテスクな演出を排して、まったく違うアプローチで独自のサスペリアを作った姿勢は悪くないと思った。
好きすぎるとオマージュだらけのマニアだけがニヤニヤする閉じた「良作」になってしまうことが多い。そーゆーの好きだし観てて楽しいんだけど、それだと広がりがないし、絶対オリジナルを上回れない。何より40年ぶりにリメイクする意義が薄くなる笑

まあ、後は監督の独自性や再解釈が自分に取ってどうだったのか?なんだけど、まったく合わなかった。ハッキリ言うと大嫌いな方向に舵切ってくれたなってぐらい、、笑

映画の舞台である1977年当時のベルリンのドイツ赤軍のテロが頻発する不穏な空気やユダヤ人である精神医学博士の第二次大戦時の苛烈な至難なんかが背景を補完したり、物語に大きく絡んで物語に奥行きを与えている。
これが本当に邪魔だった笑
ドイツ赤軍のことや何やらあまり知らなければ「ふんふん、勉強になったな!」とか思えたんだろうけど、おれはすでにドイツ赤軍映画の決定版"バーダー・マインホフ 理想の果てに"観てるからな😞💨

ロメロのみたいに起こってるホラーな現象に当時の現実の社会的風潮や問題なんかを意識的に象徴させてる映画ならそーゆーのもありだと思うけど、サスペリアってそーゆー話じゃないし、アルジェントもそんなタイプの監督じゃないよね。
さっき物語に絡んでるって書いたけど、そのリンクのさせ方が取って付けたようなレベルなんだよ笑
実際、社会情勢的なことにさして左右されることなく舞踏団の中で魔女達は派閥争いや女の子の口封じに勤しんでるわけで笑
だから、別に無くてもいい背景なのな笑

そして一番失敗してると思ったのが、外の世界の不穏さ呈示してしまったばかりに、これから最強の魔女が復活し禍々しい混沌が訪れるって終末感が失われてしまってるんだよ。
これは監督の魔女達の画き方が漠然としてて何となく不気味なおばさん達にしか見えない演出の弱さのせいでもある。
魔術や魔女を根本的にバカにしてるとこがあって、正面から魔術や魔女の凄みを表現することから逃げてるように感じるんだよな?

いずれにせよ、人間社会の騒擾や闇に霞んでしまうぐらい細やかな魔女の復活に何一つ感銘を受けなかった😂

独自の解釈はいいけど、やっぱアルジェントの映画で動物を疎かにするのは許せないよな。
盲目の先生を食い殺す犬が省かれてるんだよ、、精神医学博士が犬に食い殺されるとばっかり思ってたからガッカリだな。
彼を早々に殺せば上映時間もこんなに長くならなかったしさ😁

1人3役のティルダ・スウィントンには無意味じゃないかって声もあるみたいだけど、その無意味さがポール・ナッシーの映画みたいな俗なホラーのサービス精神を感じて好印象だよ、おれは🤩

ポール・ナッシー知らない方は"ゾンビの怒り"のレビュー読んでください😏
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