肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

彼女がその名を知らない鳥たちの肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

3.4
みにくい泥鰌の子はいつか高級鰻となって羽ばたけるか

あなたは一目惚れの"推し"の為に無利益で全てを懸けて尽くせるか?
これはそんな心のidol(想い人)に人生を賭した"ヒロイックストーリー"である。あるいは「守護天使物語」


そう、これがホスト(DV恋人)に幸せに貢ぐ女性の生態であるのだ!(ダダーン❢NETFLIX

なんてのは冗談過半数でw蒼井優さんのキャラクターエゲツないですなぁーこんな誰にも感情移入できない大阪のゲスカスバカップルでいいのかい?って白目状態でストーリーの行方を見守っていましたとも(笑)
まあ、そこが本作の"思惑"でもあるんですよw

白石和彌(監督) ✖ 阿部サダヲ のタッグが『死刑にいたる病』で繰り返されるので予習として観ましたが、"真逆の対比作"としてこうも違うか!と比較して見るのは実に面白いですw
まずおっさんずラブ…ではなく"おっさん's不快"を超絶リアリティなあるある行動として、阿部サダヲに行わせるオープニングの掴みがいいんですよねw
屁をこくような単純な真似はしないが、歯をイジイジしたり食事中にくっさ靴下ぬぎぬぎしたりクチャラーだったりと殺意まで湧きそうな"嫌なオヤジ"の印象をコトコト煮詰めたような所作と音で、"こいつに好感(恋)など抱いたるか❣"と視聴者との距離を極限まで突き放すのに成功している。

そこで蒼井優さんの"ダーティ&ウェット"なクズ演技なので、勝手にやってろーーーい!バカップル双方仲良く不幸になってろーーーい!!とウキウキになるんですよ!w(ナラナイ)
でも思っちゃうんですよね、これが「社会の縮図」だなって…いやそんな大層なじゃないんですがwこの映画では"二層"、社会では"多重層"に積み重なった"貢ぐものと搾取する側の多段構造"を想像してしまったんですw(実は笑える話じゃないんだけど…)
それで社会が絶え間なく回ってる部分(アイドルとファン、ホステスと上客とか)と言えなくもないですが、それが"片想いの上手くいかない矢印の指向性"にも適応されて、なんだか切なくなってくるんですよw(そういう話ではないのだけど!)

その無情さを掻い潜っても「献身」を捧げる"ファンの鑑"として描かれるのが実は阿部サダヲさんの役どころなんです!
それだけで涙がちょちょ切れるんですが、やっぱりというか"白石監督の寒いセンス"が最後の最後になって発揮されるのが勿体ないな〜と個人的にほぞを噛む思いです…

まずタイトルが結果論的に場面を切り取る"俳句(詩)的"なのは原作由来でいいとしても、特になにもかかってない、それが知れて沁沁とタイトルに想いを馳せれるような"説得感"がないのも少し思うところがあり、なにより最後の「一言」。あれ余計です。説明・マッドネス・ザ・「邦画」ですよ…
それに加えて、阿部サダヲさん役の"MADさ"。薄汚いだけ、「純心」を表したいのはわかる。が髪型から顔面の黒さがより深黒化してくのは、逆にシュールな上に"安っぽさ"まで感じてしまってちょっと白けてしまったんですよ…

その点最新作『死刑にいたる病』は見事なまでに問題点をスタイリッシュかつ"ブラッシュアップ"できてると感じるだけあって嬉しい気持ちにさせてくれました。
松坂トーリーにつづく(またもやチンケな濡れ男を演じおって!w)「色(恋濡れ場を演じる)男」が出現しましたからね!w