ぽねごん

彼女がその名を知らない鳥たちのぽねごんのレビュー・感想・評価

4.2
登場人物が醸し出す種類の違うそれぞれの嫌な感じが生々しく、嫌なんだけど目を離せない魅力が漂っていて良い。
十和子の精神的な脆さと幼稚さには不快を催す部分もあったが、やはりどこか憎めない人間らしさがある。水島がイケメンだと分かった途端ハッと態度が一変する所とか。ああ、嫌なもん見たなと思ったがこういうもんなんだろうな。
ストーリー的な仕掛けもありミステリーとしても面白く、徐々に明らかになっていく真実に鳥肌が立った。
社会規範の中では正しいとは言えないというか異常で歪んでいるとも狂気的とも言えるが、人を想う形として十和子に対しての陣治の気持ちはとても純粋なものに見えてくる。
どうしようもないがこうとしか生きられない人たちが描かれているからこそ切実に胸に迫るものがあった。
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