コーディー

彼女がその名を知らない鳥たちのコーディーのレビュー・感想・評価

4.5
なんなんだよ〜この愛は〜!
共感度ゼロの謳い文句は伊達じゃなかった。けどイイ意味で感情グチャグチャに掻き乱されたし、これもひとつの愛のカタチなのかと妙に納得してる自分もいた。要するに好きですこれw

8年前に別れた男のことを未だ引きずりながらも今は15歳年上の冴えないオッサン陣治と同棲する十和子。かっこ悪いし金無いし汚らしい陣治にいつもイライラ、もちろん夜の営みも無し、、、一見すると陣治の強引ながら一途な愛の賜物にも見える二人の関係やけどこの病的なまでに献身的な愛の裏には、、、

と、この主演の二人を始めこの映画、闇を抱えた人間たちによるクズ合戦の様相もあったりと重度に拗らせた人間関係がかなり痛い。リアリティという意味ではやや過剰な気もするけどこれに近い関係って意外とあるんやろうね〜
冒頭から時計屋にクレームまがいの電話をネチネチかけてる十和子。ここの蒼井優の面倒くせぇ〜な感じや凄くイヤラシイ言い回しの関西弁とか絶妙に生いw阿部サダヲにしてもただのオッサンながら急にゾクっとサスペンスを匂わせたりと二人の空気の不安定さに惹きつけられる。

ホントにどうしようもないし、こんなの愛じゃねぇって思ってるんやけど陣治の中に男を見たんですよね〜全然共感できないのに泣けてきたし阿部サダヲと蒼井優の熱のこもった演技は一見の価値ありですよ!