たいてぃー

彼女がその名を知らない鳥たちのたいてぃーのレビュー・感想・評価

4.0
原作は未読だが、イヤミスって呼ばれている本作。ホントにクズ人間(この言葉、使いたくないけど、やっぱり一番合っている。)が、これまでかと出てくる。たった一人マトモと思っていた、主人公、十和子の姉も家庭内で不和を抱えていて。
役者では、なんと言っても、主役の蒼井優。クレームの付け方や同居している陣治に対するクズさ加減。外見だけの男に引かれる浅はかさ。大胆な濡れ場。ホント印象に残る。特に松坂桃李との絡みは、唖然としてしまった。松坂桃李は他の若手俳優に触発されたのか、エロさ感がみなぎっていた。研究したのか?(何を)
あと印象に残ったシーンは、壁が倒れて、リゾート地に黒崎が現れるというもの。水嶋とのホテルのシーンでタクラマカン砂漠が話題に出て、砂が天井から落ちてくるというもの。どちらも十和子の妄想だが、嘘とはわかっていても、信じていたいって、そんな侘しさを表現しているのだろうか。
そして、性欲一辺倒のクズさが圧倒的な黒崎のおじ役國枝を演じた、中嶋しゅう。舞台が中心で映画にはほとんど出ていないようだが、今年の7月に舞台からの落下で亡くなっている。惜しい、もっと映画でも活躍して欲しかったのに。ご冥福を祈る。