ラストが美しい映画。
原作の小説は未読なんですが、後味の嫌なミステリー、通称イヤミスということで強烈なオチが待っているのかと思いきや全然後味が悪くない。さらにいえばミステリーとしての意外性もほぼないと言っていいくらいオチが弱い。
ただ、この映画(原作もそうかもしれないが)の賢いところは、ミステリーとしての意外性で勝負しようとせずに登場人物が観客に与える印象の変化で勝負しているところだと思いましたね。
演技、メイクは勿論のこと、妙に近くて圧迫感を与えてくるカメラに至るまで、ありとあらゆる方法で観客に不快感をあたえてくる陣治の行動の逐一が、ラストの回想では泣けるシーンになるというところは、まさに映像のある映画ならではの表現って感じで痺れました。
あと、今までただのイケメン枠だと思っててあまり興味のなかった松坂桃李のファンになりました。素敵!